不動産経済研究所は3月15日、「2月の首都圏新築マンション市場動向」を発表。
発売は3.3%増の2,310戸。契約率は68.4%と低調も在庫は圧縮進む。
戸当り価格5,793万円、m2単価85.2万円とともに2ヵ月連続の上昇。
発売戸数が増えて在庫の圧縮が進んでいるのに、価格も単価が上昇しているというのはどういう状況なのか?
これだけではよく分からないので、同研究所が過去に発表した数値データも含め、いつものように、首都圏の新築マンション市場動向のトレンドを可視化してみた。
- 発売戸数・発売単価・販売在庫の推移(首都圏)
- 発売戸数の推移(1都3県)
- m2単価の推移(1都3県)
- 価格帯別の発売戸数割合の推移(23区)
- 億ションの発売戸数・率の推移(23区)
- まとめ
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発売戸数・発売単価・販売在庫の推移(首都圏)
発売単価は、これまで上下動を繰り返しながら上昇トレンドにあったが、1年ほど前から下降トレンドに。ところが、5か月連続で80万円切りだった発売単価が、1月に97.6万円に急上昇(理由は億ションの増加)したのち、2月は85.2万円(次図)。
販売在庫数は2か月連続で減少したとはいえ、まだまだ上昇トレンドにある。
発売戸数は上下動が激しいが、下降トレンドにあるようだ。
これらの事態を端的に言えば、「高くて売れない状況が続いている」ということだ。
発売戸数の推移(1都3県)
23区に着目すると、2月の発売戸数1,138戸は、前年同月比で▲4.1%の微減(次図)。
m2単価の推移(1都3県)
23区の発売単価は、15年7月(119.9万円)にピークを記録したあと、上下動を繰り返えしながら、下降トレンドに入っていたのだが、1月に急上昇(理由は億ションの増加)したあと、2月は106.6万円(次図)。
価格帯別の発売戸数割合の推移(23区)
23区の発売戸数の割合は、5,000万円を境にクッキリと2極化している(次図)。
低価格帯の割合は4%程度まで回復。
7千万円台と1億円台の高価格帯の割合は多い。
億ションの発売戸数・率の推移(23区)
億ション率(全発売戸数に占める億ションの割合)は、1年ほど前から減少傾向にあったのだが、今年に入って増加に転じている(次図)。
一時的現象なのか、今後要観察。
まとめ
首都圏新築マンション市場は、「高くて売れない状況」が続いている。
- 5か月連続で80万円切りだった発売単価は、1月に97.6万円に急上昇(理由は億ションの増加)したのち、2月は85.2万円。
- 販売在庫数は2か月連続で減少したとはいえ、まだまだ上昇トレンドにある。
- 23区の2月の発売戸数1,138戸は、前年同月比で▲4.1%の微減。
- 23区の発売単価は、下降トレンドに入っていたのだが、1月に急上昇(理由は億ションの増加)したあと、2月は106.6万円。
- 23区の発売戸数の割合は、5,000万円を境にクッキリと2極化している。
- 億ション率は1年ほど前から減少傾向にあったのだが、今年に入って増加に転じている。