民泊のあり方を論ずるには、実態の把握が欠かせない。
民泊議論の一助になればとの思いから毎月初め、Airbnb登録件数に係る定量的な分析記事を投稿している。
Airbnbサイトからクローリングによりデータを集計しているサイトAirbDatabankが無料公開しているデータをもとに、12月1日現在のAirbnb登録状況を可視化してみた。
【全国】Airbnb登録件数の概況
全国Airbnb登録件数 4.4万件(前月比1.1%の微増)
全国でAirbnbに登録されている物件数は44,212件(12月1日現在)。
前月比1.1%の微増。
※正確にいうと、東京都は23区、大阪府は大阪市、京都府は京都市のみが調査対象。だから実際の登録件数はもう少し多くなる。
1都2府 10月以降登録件数の伸び鈍化
Airbnb登録件数の都道府県別ランキングを次表に示す。
1位東京都(23区)約1万5,500件、2位大阪府(大阪市)約11,600件、3位京都府(京都市)約4,400件。先月と順位変わらず。
1都2府とも、10月以降登録件数の伸びが鈍化している、というか大阪市は微減(次図)。
1都2府のシェアは、4月の75.5%をピークに減少している。
沖縄・福岡・北海道がシェアを伸ばす
都道府県別のシェアを次図に示す。
先月と比べると、沖縄(3.6⇒3.9%)、福岡(3.6⇒3.7%)、北海道(3.4⇒3.5%)が若干シェアを伸ばしている。
【東京23区】1位新宿約3,310件、2位渋谷区約2,200件
東京23区においてAirbnbの登録件数が最も多いのは新宿区で3,313件。2位は渋谷区2,197件。この2つの区が第1グループを形成している。
第2グループは3位港区、4位台東区、5位豊島区、6位世田谷区。
国内初の民泊条例施行でマスコミが盛んに取り上げている大田区(315件)は14位に過ぎない。
【大阪市】中央区が約4,150件で全国一をキープ
大阪市内のAirbnb登録件数は、相変わらず中央区(4,152件)と浪速区2,699件)がツートップ(次図)。
全国で最もAirbnbの登録数が多い自治体は中央区(大阪市)であることに変わりはない(次図)。
新宿区・渋谷区が減少傾向にあるのに対して、中央区(大阪市)・浪速区はいまだ増加し続けている。
【京都市】市長の意に反して再び増加
京都市内のAirbnb登録件数は、下京区が圧倒的に多い(次図)。
Airbnb登録件数は5月から2か月連続で減少していたが、7月を境に大幅増に転じ、その後足踏みしていたが再び増加傾向(次図)。
7月13日に開設された「民泊110番」(6割が「通報」!京都市「民泊通報・相談窓口」260件(7月分))の抑止効果も一時的なのか、再び増加し始めた。
京都市長の「集合住宅内の民泊は認めない発言」(8月31日)の口先効果は効き目がないようだ。
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