練馬区は9月15日、「民泊サービスなど旅館業施設への対応を強化」すると発表。
サラッと書かれているので気が付きにくいのだが、よく読みむと練馬区が闇民泊を排除しようとする強い意志が浮かび上がってくる。
練馬区が民泊サービスなど旅館業施設への対応を強化
「民泊サービスが急速に普及する中、地域の住環境に十分配慮した宿泊施設を提供し、旅館などの宿泊客および地域住民の安全と安心を確保するのがねらい」だという。
また、強化内容として、次のように記されている。
【強化内容】
①要綱制定「練馬区旅館業の営業許可に関する取扱要綱」
- 申請予定者に、申請前に地域住民に対して計画の公表・説明等を実施させる
- 施設に、玄関帳場またはフロントおよびこれに類する設備を設けさせる
- 施設に、管理者または従業員等を常駐させる
②消防・警察等関係機関との連携
③区ホームページ等で適正な手続きを周知
闇民泊を排除しようとする、練馬区の強い意志
サラッと書かれているので気が付きにくいのだが、よく読みむと練馬区が闇民泊を排除しようとする強い意志が浮かび上がってくる。
ひとつはこれから制定される要綱の中身。
これから制定される要綱では「施設に、管理者または従業員等を常駐させる」としている。
練馬区は、家主不在型(投資型)の民泊そのものを認めないというように読める。
国の検討では家主不在型は一定の要件を満たせば認める方向で進んでいるのだが、練馬区の要綱はこの流れに抗っている。
もうひとつは、「消防・警察等関係機関と連携し、未届民泊施設の把握と施設所有者等へ旅館業法違反是正を指導」のくだり。
家主不在型(投資型)の闇民泊を排除しようとする、練馬区の強い意志を感じるのである。
練馬区内のAirbnb登録件数は8月以降増加
強化の背景のひとつに、民泊の増加による地域住民とのトラブルが掲げられているので、練馬区内のAirbnbの登録状況を確認しておこう。
【強化の背景】
近年、インターネットによる仲介事業者を通じて、一般の住宅を利用し旅行者等に宿泊サービスを提供する「民泊サービス」が急速に普及している。一方で、施設の運営や利用において地域住民とのトラブルが発生する場合もある。 (以下略)
練馬区内のAirbnbの登録件数は、23区では下から2番目(1番少ないのは葛飾区)。そんなに多いわけではない。
ただ、練馬区内のAirbnb登録件数は、8月以降増加し始めている(次図)。9月27日現在171件。
(AirbDatabankデータをもとに筆者作成)
Airbnbの登録物件の分布図(次図)を見ると、西武線の江古田駅~練馬駅当たりに多いことが分かる。
(AirLABO地図に追記)
登録件数の内訳をみると、マンション/アパートが全体の約6割を占めている。一軒家の割合が他区を比べて多い(32%)のが特徴。
(AirLABOデータをもとに筆者作成)
条例を制定してまで民泊に反対している台東区ほどではないものの(台東区で「民泊待った!条例」可決)、要綱を制定して闇民泊の排除を掲げた練馬区。
練馬区の動きに追随する区は出てくるのか・・・・・・。
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