厚労省が民泊施設の初の全国調査を実施するという読売新聞の記事。
- 厚労省が民泊施設の初の全国調査(読売記事)
- 民泊施設実態調査一式(競争入札)の納期は11月末
- 厚労省担当者は、民泊の基本的なデータを把握していない?
- 「全国142自治体で、各100件以上の物件」ありきの調査ではなく
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厚労省が民泊施設の初の全国調査(読売記事)
同省は物件情報をリスト化し、対策の検討や行政指導などに生かす考えだという。
民泊15000件、初の全国調査へ…厚労省
マンションの空き室などに旅行者を有料で宿泊させる「民泊」について、厚生労働省は10月にも、全国の約1万5000件の民泊物件を対象にした初の全国調査に乗り出す。
(中略)
調査ではまず、仲介サイトの情報から、保健所のある都道府県や政令市など全国142自治体で、各100件以上の物件を抽出。所在地や運営者のほか、戸建てかマンションかといった物件の種類、宿泊料金などの情報を収集し、営業形態などを分析する。
(読売新聞 9月24日)
民泊施設実態調査一式(競争入札)の納期は11月末
厚労省のホームページに9月7日付で掲載されている「入札公告(民泊施設実態調査一式)」は、上記読売の記事の全国調査と関係しているのか?(たぶん関係しているのであろう)
1 競争入札に付する事項
- (1) 件 名 民泊施設実態調査一式
- (2) 仕 様 入札説明書及び仕様書による。
- (3) 履行期限 平成28年 11月30日
- (4) 納入場所 支出負担行為担当官指定の場所
- (5) 入札方法 入札金額は総価を記載すること。
「入札説明書及び仕様書」は、ホームページには公開されていない(なぜネットで公開しないのだ!)。
厚労省の経理室契約班(@霞が関)まで出向かないと、もらえないようだ(事前の連絡不要。9月28日まで)。
厚労省担当者は、民泊の基本的なデータを把握していない?
厚労省の全国調査では、「保健所のある都道府県や政令市など全国142自治体で、各100件以上の物件を抽出」するとされている。
でも、全国142自治体で各100件以上といっても、47都道府県と政令指定都市(20自治体)のすべての自治体においてAirbnbが100件以上登録されているわけではない(中国版Airbnbの登録件数を見込んでもこの状況はあまり変わらない)。
厚労省の民泊担当者は、そんな基本的なことも知らないのか?
都道府県単位でいえば、福井県(11件)や山形県(12件)は、100件に遠く及ばない(次表)。
政令指定都市(20自治体)においても、仙台市(62件)やさいたま市(71件)など、半数の自治体は100件に満たないのである。
AirLABO(http://airlabo.jp/)データを元に筆者作成)
「全国142自治体で、各100件以上の物件」ありきの調査ではなく
15,000件の民泊を調査するにしても、「全国142自治体で、各100件以上の物件」ありきの調査ではなく、民泊の多い自治体は詳しく、少ない自治体はサラッと、重みをつけて調査したほうがいいのでは。
もう少し具体的に提案するならば、Airbnbの登録件数が1,000件を超える7都道府県(東京、大阪、京都、沖縄、福岡、北海道、神奈川)は市区レベルまで深掘りしたほうがいいだろう。
委託業務の履行期限は平成28年 11月30日。あと2か月余り。
年内に調査の成果が公表されることを期待しよう。
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(本日、マンション広告なし)