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兵庫県が「民泊事業者規制の法制化」などを国に提案

兵庫県が8月22日、民泊事業者規制の法制化などを国に提案したことを産経が伝えている。


もくじ

兵庫県が民泊事業者規制の法制化など国に提案(産経記事)

業者が無許可で営業を行う懸念などがあり、宿泊者と近隣住民双方の安心の向上を目指すという。

民泊事業者規制の法制化など国に提案へ 兵庫県

訪日外国人の宿泊施設不足の解消を目的にマンションや一軒家の空き部屋を有料で貸し出す「民泊」をめぐり、兵庫県は22日、国に対し、民泊事業者らの規制を早急に法制化することなどを求めると明らかにした。

業者が無許可で営業を行う懸念などがあり、宿泊者と近隣住民双方の安心の向上を目指す。(以下略)

(産経WEST 8月23日)

 

兵庫県は具体的にどのような提案をしたのか?

「兵庫県インターネット放送局」にアクセスすると、井戸敏三知事の肉声で「『民泊サービス』に関する国への提案」を視聴することができる。

知事定例記者会見(2016年8月22日) |兵庫県インターネット放送局
知事定例記者会見(2016年8月22日) |兵庫県インターネット放送局

 

知事のしゃべりは冗長。YouTubeでないので早聞きができなくて、まどろっこしい。

幸いなことに、知事定例記者会見(8月22日)のページに文章でも公表されている。

(前略)我々としては、(1)近隣住民への迷惑行為等の防止についての事前説明義務に関する記述がない(2)仲介事業者への対応が定義も不明確、海外であった場合にはどのような対応ができるのかということがよく見えないなどの課題を挙げています。
以上を踏まえて、1枚目の資料に記載のとおり、1番目が制度化を今の状況の中で急いで欲しいということです。

2番目がポイントなのですが、集合住宅においては管理組合、戸建住宅においては自治会に対して、誰が、どこで、迷惑行為の防止や安全確保のためどのような措置を講じて民泊サービスを行うのか、苦情窓口の連絡先も含めて事前説明をきちんと行い、了解を得ることを義務づけて欲しい、ということです。(以下略)

 

兵庫県の提案は4つ

もう少し正確に理解するために、提案文書(PDF171KB)で確認してみよう。

  • 1 訪日外国人旅行客の増大を踏まえ、民泊サービス事業者及び仲介事業者に対する規制を早急に法制化すること。

  • 2 民泊サービス事業者の責務として、次の点を追加すること。
    集合住宅においては管理組合に対して、戸建住宅においては自治会に対して、誰が、どこで、迷惑行為の防止や安全確保のためどのような措置を講じて民泊サービスを行うのか、苦情窓口の連絡先も併せて事前説明を行い、了解を得ることを義務づけること。

  • 仲介事業者の定義を明確にするとともに、それ以外の仲介業務を禁止すること。
    また、海外の事業者に対する規制方法についても明確にすること。

  • 4 一定の要件を超え旅館業法に基づく営業許可が必要となる宿泊サービスについても、「家主不在型」に対する管理者配置義務や迷惑行為防止措置の徹底を図るなど、旅館業法の見直しを併せて検討すること。

 

住民の立場からすれば、最も実現してほしい提案は2ではないだろうか(知事も「2番目がポイント」だと強調している)。

すなわち、管理組合(戸建住宅の場合は自治会)に対して、苦情窓口の連絡先も併せて事前説明を行い、了解を得ることを民泊サービス事業者に義務づけること

ただ、Airbnbはともかく、いまや本家Airbnbの2割もの登録件数がある中国版Airbnbに同義務を遵守させるのは難しそうだ。

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【中国版Airbnbの定点観測】本家Airbnbに対する中国版Airbnbの割合は2割に達した」より

 

兵庫県でAirbnbに登録されている物件数は500件に迫っている(次図)。 

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(AirLABOデータを元に作成)

 

兵庫県住宅供給公社が管理しているマンションで行われている闇民泊さえ排除できていなかった兵庫県は(兵庫県は情報公開を!県公社の管理マンションで不正民泊 )、民泊を適正管理できるのか・・・・・・。

 

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