不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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違反しても過料5千円ではなくならない!不動産業に多い捨て看板

東京都は8月15日、道路管理者、警察や都民と共同して、道路内の電柱等に放置された捨て看板や貼り紙、貼り札、広告旗などを集中的に除却する「捨て看板等の共同除却キャンペーン」を実施すると公表。
キャンペーン実施期間は9月1日から10月31日まで。今年で20回目。

都のホームページをググって、過去のデータをひも解き、これまでのキャンペーンの成果を可視化してみた。


もくじ

 捨て看板としては「はり紙」が圧倒的に多い

捨て看板の除却枚数の推移を種類別にみると、「はり紙」が圧倒的に多いことが分かる(次図)。

13年度と14年度の「はり紙」の除却枚数が少ないのは、貼り出されていた枚数そのものが少なかったためなのか、それともキャンペーン参加者の根性が足りなかったためなのか(笑)

都のホームページには、除却枚数データしか掲載されていない(分析文章が全くない)ので、理由は不明。

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捨て看板は「不動産業」が圧倒的に多い

捨て看板の除却枚数の推移を業種別にみると、不動産業が圧倒的に多い。

10年前には多少多かった金融業や風俗営業は、ここ数年は100枚未満。NTTの電話ボックスがなくなったからなのか?

15年度の金融業はたったの2枚しかないのは何で?

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違反しても過料5千円

インターネット広告全盛の時代なのに、なぜ不動産業界では、いまだに捨て看板というアナログ広告が用いられているのか?

費用対効果が大きいからに違いない。 

たとえ張り紙広告であっても、「不動産の表示に関する公正競争規約」の規制対象であることは第4条(用語の定義)5項(3)号に記されている。

(3)ポスター、看板(プラカード及び建物又は電車、自動車等に記載されたものを含む。)、ネオン・サイン、アドバルーンその他これらに類似する物による広告及び陳列物又は実演による表示

というか、電柱への張り紙は電柱の無断使用だし、勝手に道路や歩道に置かれた看板は通行妨害、道路占有で違法である。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、美観を損ねる捨て看板を絶滅させる一案としては、罰則規定の強化が考えられるのだが――

残念ながら、都の「屋外広告物等に係る行政処分要綱」では、「繰り返し是正指導等を行った後においても条例違反が是正されない場合又は是正される見込みがないと認める場合に」ようやく過料処分の対象となり、その過料はたったの5千円なのである。

これでは捨て看板はなくなるはずもなかろう。

小池新都知事には、既得権益者に負けることなく、このあたりの改善にも期待したい(民意の大きさを比較!小池都知事 vs 都議会自民)。

(本日、マンション広告なし)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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