札幌市中央区の宮の森地区で中国系不動産会社が建設中のマンション(3階建て、9月完成予定)が「民泊用にも使われる施設になるのではないか」という住民の不安を伝える産経の記事。
「宮の森の環境を考える会」が管理規約原案の開示などを求め、札幌簡裁に調停を申し立て、7月20日に1回目の調停が行われたが、不調に終わったという。
北海道内でのAirbnbの登録状況や、北海道・札幌市の違法民泊への対応状況などを整理しておいた。
- 札幌の高級住宅地に中国マンション 「民泊利用」(産経記事)
- 北海道内のAirbnb登録件数は約1,300件
- Airbnb登録件数は札幌市中央区がダントツ
- 道内の中国版Airbnb登録件数は本家Airbnbの3分の1
- 北海道・札幌市の違法民泊への対応状況
- あわせて読みたい
札幌の高級住宅地に中国マンション 「民泊利用」(産経記事)
札幌の高級住宅地に中国マンション 「民泊利用」消えぬ住民不安
大倉山ジャンプ競技場や円山公園などで知られる札幌市中央区の宮の森地区。この札幌有数の高級住宅街で、ちょっとした騒動が持ち上がっている。宮の森2条11丁目の角地。騒動を象徴する「民泊反対」の立て看板が目を引く。何が起きているのか。
住民らの話を総合すると、騒動は中国系不動産会社「海潤(ハイルン)」(札幌市)が2月、宮の森の高級住宅街に3階建てマンション(5戸)2棟とコンセプトハウス、管理事務所を建設することを公にしたことに始まった。工事は一部で始まっており、マンションの1棟は9月にも完成する予定だ。(以下略)
(産経ニュース 7月30日)
北海道内でのAirbnbに登録状況はどうなっているのか?
以下に整理しておいた。
北海道内のAirbnb登録件数は約1,300件
北海道のAirbnb登録件数は、全国で5番目に多い(次図)。
「にわか大家さん「民泊」から撤退?Airbnb登録件数が減少に転じる」より
筆者が毎月モニタリングしているAirLABO(http://airlabo.jp/)データのうち、北海道内でAirbnbに登録されている物件数(停止中物件を除く)の推移をグラフにしてみた(次図)。
6月に増加が鈍ったものの、7月30日現在の物件数は1,257件。
(AirLABOデータを元に作成)
Airbnb登録件数は札幌市中央区がダントツ
道内の各自治体のAirbnb登録件数も整理してみた。
札幌市中央区がダントツで394件(次図)。
(AirLABOデータを元に作成)
- 1位:札幌市中央区(394件)
- 2位:倶知安町(127件)
- 3位:札幌市豊平区(114件)
- 4位:札幌市北区(84件)
- 5位:札幌市東区(54件)
- 6位:ニセコ町(51件)
- 7位:札幌市白石区(49件)
- 8位:札幌市西区(46件)
- 9位:小樽市(44件)
- 10位:函館市(34件)
- 11位:札幌市南区(23件)
- 12位:帯広市(22件)
- 13位:旭川市(20件)
- 14位:占冠村(19件)
- 15位:富良野市(13件)
- 16位:札幌市清田区(11件)
- 17位:千歳市(11件)
- 18位:江別市(10件)
道内の土地勘がない人のために地図に落としておいた(次図)。
(AirLABOデータを元に作成)
道内の中国版Airbnb登録件数は本家Airbnbの3分の1
Airbnbだけでなく、中国版Airbnbの登録状況はどうなのか?
中国版Airbnbの主なサイトは、「住百家(ジュバイジァ)」「自在客(ジザイキャク)」「途家(トゥージァ)」の3つ。
北海道内のAirbnbと中国版Airbnbの登録件数の内訳は次図のとおりである。
北海道内のAirbnb登録件数(1,257件)に対して、中国版Airbnb(418件)は3分の1もある。
※同じ物件が複数のサイトに登録されている場合があるので、合計登録数が道内に存在する物件数の合計を意味しているワケでない。念のため。
札幌市内の登録件数は自在客が多い。
北海道や札幌市は、違法民泊に対してなんらかのアクションを起こしているのだろうか?
北海道・札幌市の違法民泊への対応状況
北海道のホームページをひも解くと、「旅館業法上、無許可営業には罰則が規定されています」といった、違法民泊を間接的に牽制する記載しか見当たらない(次図)。
札幌市はというと、「無許可で行うことはできません」というように、道よりも更に控えめな内容(次図)。
親(道)が親なら子(市)も子といったところか――。
(「民泊」を行うには旅館業法に基づく許可が必要です|札幌市)
札幌市が4月6日に公開した「札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015 」に対する「パブリックコメント・キッズコメント意見集(PDF:1.1MB)」を見ると、「民泊制度については・・・国などの動向を注視しながらルール作りなどについて検討を進めていきたい」という市の考え方が示されてはいるのだが(次図)。
外国人に道内の水源地を買い漁られたときの二の舞にならないように、民泊については、京都市のように早めの対応が望まれる(京都市の「民泊対策」から目が離せない)。
あわせて読みたい
(本日、マンション広告なし)