国土交通省は7月29日、「住宅着工統計(平成28年6月分)」を公表。
ざっくり言うと
平成28年6月の住宅着工動向について、次のように記されている。
- 平成28年6月の住宅着工戸数は85,953戸で、前年同月比で2.5%減となった。また、季節調整済年率換算値では100.4万戸(前月比1.3%減)となった。
- 住宅着工の動向については、前年同月比で6か月ぶりの減少となっており、利用関係別にみると、前年同月比で持家、貸家は増、分譲住宅は減となった。
- 引き続き、今後の動向をしっかりと注視していく必要がある。
また、分譲マンションについては、次のように記されている。
前年同月比では2か月連続の減少(前年同月比28.1%減)。
これだけでは、よく分からないので、いつものようにマンション関連のデータを中心に可視化してみよう。
全国の分譲マンション着工戸数 2か月連続の減少
6月は前年同月比で▲28.1%の大幅減。
たしかに「2か月連続の減少」であることが確認できる。
首都圏分譲マンション着工戸数 6月は前年同月比▲16.7%
※黒色破線は、多項式(5次)の近似曲線。以下同じ。
首都圏では、6か月連続で5千戸超であるものの、季節変動があるのでなんとも言えない。
首都圏について、前年同月比の増減を可視化したのが次のグラフ。
このグラフであれば、季節変動の影響を排除できる。
首都圏の着工戸数が11月(+8.5%)のプラスから、2か月のタイムラグで12月(▲28.7%)、1月(▲20.6%)、2月(▲5.2%)と3か月連続でマイナスになったのはマンション傾斜・偽装問題の影響だったのではないか。
3月(54.8%)に入って大きくプラスに転じて、4月(2.4%)、5月(4.9%)と若干のプラスにとどまっていたが、6月はマイナス(▲16.7%)に沈む。
都内の分譲マンション着工戸数 昨年と今年の6月は異常に多かった
東京を見ると、着工戸数は3か月連続で4千戸を超えているものの、季節変動があるのでなんとも言えない。
次のグラフであれば、季節変動の影響を排除できる。
3か月連続で増加していたが、6月は前年同月比▲20.3%の減。
もっと泥臭いのが次のグラフ。
過去12年間を振り返ってみると、一昨年までは都内の6月の着工戸数は年間を通じて少ない傾向にあった。
上述のとおり、昨年度比では6月は確かに▲20.3%の減であるが、そもそも昨年と今年の6月は例年と比べては異常に多かったことが分かる。
6月に大型マンションの着工が相次いだ影響なのであろうか。
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