不動産経済研究所は7月14日、「6月の首都圏新築マンション市場動向」を発表。
- 発売は12.9%減の3,050戸と7カ月連続減。契約率は69.6%に低下。
- 戸当り価格5,672万円、m2単価82.3万円、ともに昨年5月以来の下落。
「減」「減」「低下」「下落」といった、ネガティブな単語が並ぶ。
ただ、これだけではよく分からないので、同研究所が過去に発表した数値データも含め、首都圏の新築マンション市場動向のトレンドを可視化してみた。
発売戸数・発売単価・販売在庫の推移(首都圏)
発売単価は、上下動を繰り返すも、依然として上昇トレンドにある。5か月連続で80万円超えである。
販売在庫は6か月連続で6千戸を突破。
供給戸数が減って、在庫が積み上がる。すなわち「新築マンションが売れていない」のに、発売単価のほうは上昇傾向にあるという状況。
売れていなければ、発売単価は下がってもよさそうなものだが、そうなっていないのはなぜか?
発売単価が高くなりすぎて庶民には手が出ないことろへ、投資需要に陰りが出てきたからではないのか。
発売戸数の推移(1都3県)
23区に着目すると、6月の発売戸数1,425戸は、前年同月比で▲23.2%の減少。
m2単価の推移(1都3県)
23区の発売単価は、15年7月(119.9万円)にピークを記録したあと、上下動を繰り返えしながら、低下トレンドに入ったようにも見える。
億ション発売戸数・率の推移(23区)
23区で発売された価格帯別戸数のデータが掲載されているので、14年度以降のデータをグラフ化してみた(次図)。
15年7月を境に潮目が変わって、15年7月の億ションの発売戸数が435戸と突出したのち、100戸~200戸(10%~20%)で推移している。
次に、23区の新築マンションの発売価格帯を俯瞰してみよう。
価格帯別の発売戸数割合の推移(23区)
23区の新築マンションの発売戸数は、5,000万円以下の供給割合が極端に低くなっていることが分かる。
逆に5,000万円超の供給割合が高い。
住宅ローン金利が史上最低であろうとも、もはや庶民には手が出ない状況であろう。
今は買い時ではない(マン点流!不都合な真実を解説(今は買いどき?))。
子供の学校の関係や、転勤のタイミングなどライフステージの変化に応じて、どうしても今マンションを買わなければならない人は、中古マンションを検討されてはいかがだろうか(マン点流!不都合な真実を解説(新築vs中古))。