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にわか大家さん「民泊」から撤退?Airbnb登録件数が減少に転じる

民泊のあり方を議論するには、実態の把握が欠かせない。
民泊議論の一助になればとの思いから毎月、Airbnb登録物件の定量的な分析記事を投稿している。

マスコミは未だ報じていないが、Airbnb登録物件数が減少し始めたという衝撃の事実を観測。


もくじ

Airbnbサイトからクローリングによりデータを集計しているサイトAirbDatabankが公開しているデータをもとに、7月1日現在のAirbnb登録状況を可視化してみた。

全国Airbnb登録件数の概況

登録件数が遂に減少に転じる

全国でAirbnbに登録されているのは33,575件(7月1日現在)。

1か月前は35,724件だったから、今回初めて減少(▲2,149件、▲6.0%)に転じたことが分かる(次図)。

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1位東京、2位大阪、3位京都

Airbnb登録件数の都道府県別ランキングを次表に示す。
1位東京都(23区)約1万2,300件、2位大阪府(大阪市)約9,000件、3位京都府(京都市)約3,500件。

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登録件数データを地図にも落としておこう。

Airbnb登録件数は、一部の都府県に集中していることが一目瞭然であろう。

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1都2府で全国の4分の3を占める

都道府県別のシェアを次図に示す。

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1都2府だけで全国の4分の3(73.9%)を占めている。

 

これまで東京、大阪ともAirbnb登録件数の増加が著しかったのだが、6月1日から7月1日にかけて急ブレーキが掛かった模様(次図)。

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東京23区Airbnb登録件数 1位新宿、2位渋谷

東京23区においてAirbnbの登録件数が最も多いのは新宿区(2,497件)。2位渋谷区(1,943件)。この2つの区が第1グループを形成している。
第2グループは3位港区(1,124件)、4位台東区(927件)、5位豊島区(784件)、6位世田谷区(659件)。

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国内初の民泊条例施行でマスコミが盛んに取り上げている大田区(217件)は15位まで後退(先月は13位だった!)。

 

大田区Airbnb登録件数 2か月連続で減少

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昨年10月に大田区の民泊条例の検討が世間に周知されて以降、「民泊条例制定(12/7)」や「民泊申請受付開始(1/29)」といったイベント報道にも係らず、Airbnbのアパート(Airbnbでは「マンション」とは呼ばない)の登録件数は増加し続けていた。

その後、旅館業法改正施行(4/1)に向けて増加に歯止めが掛かったのもつかの間、4月に入って急増(「合法民泊」を上回る勢いで増加!大田区の「違法民泊」)。

ところが、5月1日を境に、アパート(マンション)は2か月連続で減少している。

 

中央区(大阪市)Airbnb登録件数 全国一をキープ

大阪市内のAirbnb登録件数は、中央区(2,907件)と浪速区(1,965件)がツートップ(次図)。

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全国で最もAirbnbの登録数が多い自治体は中央区(大阪市)であることに変わりはないが、5月1日から6月1日にかけて増加にブレーキがかかり、6月1日から7月1日にかけて遂に減少に転じた。

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京都市Airbnb登録件数 2か月連続で減少

京都市内のAirbnb登録件数は、下京区(748件)、中京区(598件)、東山区(505件)の3区が圧倒的に多い。

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Airbnb登録件数は2か月連続で減少している(次図)。

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京都市長・市議会あげての口コミ介入だけでなく(違法民泊退治!京都市長・市議会あげての口コミ介入に成果?)、実際に6月から「民泊110番」を開設し、悪質なケースは刑事告発も視野に入れるという報道の影響が大きいのではないだろうか。

 

にわか大家さんが「民泊」から撤退し始めた?

これまで全国のAirbnb登録件数は増加し続けていたのだが、5月、6月とブレーキが掛かり、7月には遂に減少に転じた。


大阪府警による違法民泊の摘発や、大阪地裁がマンションでの民泊を禁じる初の司法判断を下したこと、京都市長が「民泊110番」を開設すると議会で答弁したこと、それから今後制定される”民泊新法”に罰則規定が盛り込まれること(「民泊の制度設計のあり方について(最終報告書案)」を読む)、等々違法民泊に対する逆風が強まってきたことから、にわか大家さんが民泊から撤退し始めたのではないのだろうか。

 

一方、中国版Airbnbは衰える気配をみせていない。特に大阪市内の増加に目が離せない。

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異変!中国版Airbnb登録件数が増加する一方で、本家Airbnb登録件数は初の減少」より

 

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(本日、マンション広告なし)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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