国土交通省は6月30日、「住宅着工統計(平成28年5月分)」を公表。
ざっくり言うと
平成28年5月の住宅着工動向について、次のように記されている。
- 平成28年5月の住宅着工戸数は78,728戸で、前年同月比で9.8%増となった。また、季節調整済年率換算値では101.7万戸(前月比2.3%増)となった。
- 住宅着工の動向については、前年同月比で5か月連続の増加となっており、利用関係別にみると、前年同月比で持家、貸家、分譲住宅ともに増となった。
- 引き続き、今後の動向をしっかりと注視していく必要がある。
また、分譲マンションについては、次のように記されている。
- 前年同月比では4か月ぶりの減少(前年同月比0.8%減)。
これだけでは、よく分からないので、いつものようにマンション関連のデータを中心に可視化してみよう。
全国分譲マンション着工戸数 4か月ぶりの減少
5月は前年同月比で▲0.8%の減。
たしかに「4か月ぶりの減少」であることが確認できる。
首都圏分譲マンション着工戸数 3か月連続で増加
※黒色破線は、多項式(5次)の近似曲線。以下同じ。
首都圏では、5か月連続で5千戸超であるものの、季節変動があるのでなんとも言えない。
首都圏について、前年同月比の増減を可視化したのが次のグラフ。
このグラフであれば、季節変動の影響を排除できる。
首都圏の着工戸数が11月(+8.5%)のプラスから、2か月のタイムラグで12月(▲28.7%)、1月(▲20.6%)、2月(▲5.2%)と3か月連続でマイナスになったのはマンション傾斜・偽装問題の影響だったのではないか。
3月(54.8%)に入って大きくプラスに転じて、4月(2.4%)、5月(4.9%)と若干のプラスにとどまっている。なんとか3か月連続プラスをキープしている状態。
東京都分譲マンション着工戸数 5月は変動が激しい時期?
東京を見ると、着工戸数は2月(4,608戸)に急増したあと3月(3,025戸)に減少するも、4月(4,323戸)、5月(4,287戸)と2か月連続で4千戸台をキープ。
ただ、季節変動があるのでなんとも言えない。
次のグラフであれば、季節変動の影響を排除できる。
3か月連続で増加。5月は前年同月比9.6%の増。
もっと泥臭いのが次のグラフ。
過去12年間を振り返ってみると、東京都の5月の着工戸数の変動は激しい。
消費税増税の影響は「過去に学ぶ!新築マンション市場への消費増税の影響」ご参照。
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