5月28日に発刊された『新築マンションは9割が欠陥 (幻冬舎新書)』
ショッキングなタイトルに惹かれてアマゾンで購入。税込み864円。
著者は1965年福岡県生まれ、建築検査業務専業会社の社長。
各章のポイントは次の通りだ。
- 第一章 欠陥住宅は今後もなくならない
下請けの多重構造や、劣悪な労働環境がモラルの低下を招いたこと、工期厳守など、建築現場に携わった人でないと分からない背景事情を丁寧に説明している。 - 第二章 新築信仰があなたを不幸にする
新築で購入したマンションを売却して、賃貸派になった著者。建築検査に携わるなかで、マンションにまつわる諸問題の大きさを知ったことや、資金的なリスクの観点から、賃貸のほうがリスクが少ないと判断したという。 - 第三章 マンション価値を下げない業者の選び方
「パークシティLaLa横浜」のように、いったん過失を認めたら大手のほうが対応が手厚いという。 - 第四章 欠陥マンションから身を守る技術
どのような検査体制を取っているのか、デベロッパーやゼネコンに直接メールを出して確認することを提案している。
また、「自分で欠陥を見つける方法」として、白黒写真付きで6つのチェックポイントが示されている(←素人にはチョット難しいのではないか) - 第五章 欠陥問題をなくすための処方箋
欧米のインスペクター制度に学ぶことと、あいまいすぎる建築基準法にメスを入れることを提案している。
派手なタイトルに惹かれて本書を買った人は、内容は建築技術的な硬い話が多いので、やや取っ付きにくいかもしれない。
でも、建築技術者が「高品質のマンションを購入するためのノウハウを伝授」するために、丁寧な記述に努めようとしている姿勢は感じられる。
(本日、マンション広告なし)