駅から遠い小規模マンションのチラシ。
物件概要
大手町駅直通16分、駅徒歩17分。総戸数29戸、8階建。平成28年7月下旬竣工(本チラシ掲載日の3カ月後)。
- 【先着順物件】販売戸数5戸、3LDK(70.03m2)~4LDK(92.67m2)。販売価格4,398.8万円~5,598.8万円。
- 【再登録物件】販売戸数2戸、3LDK(70.00m2~70.33m2)。販売価格3,690万円~4,489.8万円。
新聞半紙大のチラシ裏面の「物件概要」に目を凝らすと、一般の人には分かりにくい表現が並んでいる。
「先着順」の販売戸数が5戸で、「再登録物件」の販売戸数が2戸。
先着順物件とは何なのか? 再登録物件とは何なのか?
先着順物件とは
先着順物件には2種類ある。
ひとつは、抽選なしで最初から先着順で受け付けている物件。この場合の先着順物件の販売サイドのメリット、購入者サイドのメリットについては、「先着順物件のメリット」ご参照。
もう一つは、第1期分や第2期分として抽選を経て発売された物件の売れ残り、あるいはキャンセル物件。
では「再登録物件」とは何なのか?
再登録物件とは
再登録物件とは、第1期分や第2期分として発売された物件で契約があったものの、ローン審査が通らないなどの理由でキャンセルとなり、再び抽選で販売するために登録を受け付ける物件のこと。
この場合、広告で「新発売」を謳えない。
では、このチラシの再登録物件は何期に発売されたキャンセル物件だったのか?
この再登録物件は、何期のキャンセル物件なのか?
リクルート社が発行しているフリーペーパー「SUUMO新築マンション(首都圏版)」のバックナンバーをひも解くと、この物件の広告履歴が確認できる。
昨年の10月13日号の予告広告では、「第3期1次」の販売戸数が3戸、先着順が2戸。
今年の3月1日号で、初めて再登録物件(2戸)が登場。このときの先着順は3戸。だから今回の再登録物件は、第3期1次以前に発売されたキャンセル物件ということになる。
その後、「第3期1次」の「本広告」が出されることなく(これはルール違反!)、4月12日号では再登録物件2戸・先着順が4戸。
そして本日のチラシでは、再登録物件は2戸のままだが、先着順戸数のほうは4戸から5戸に増えているから、この間に1戸キャンセルが発生していることが分かる。
一般の人にはこのような広告履歴を知る手立てはないだろうから、先着順物件とか再登録物件とか言われても、あまり意味はないのかもしれない。
重要なことは売主がキチンと販売ルールを守っているかどうかということだ。
ちなみにこのチラシには、「登録受付期間/4月29日(金)~5月29日(日)。抽選日/5月30日(月)14:00」と記されている。
再登録物件の登録受付期間が1か月もある!
1か月かけて、同じ住戸への希望が重ならないように事前調整を図り、誰もモデルルームに来ないような平日の月曜日(5月30日)にテキトーに”抽選”するなんってことはないとは思うが・・・・・・。
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(本日、マンション広告4枚)