工場跡地に建つ高尾のマンション(総戸数416戸、14階建て、平成28年11月中旬完成予定)の初回販売が即日完売したことを伝える朝日の記事。
東京・高尾のマンション即日完売 安い・始発駅・自然…
ミシュラン三つ星の観光地として有名な高尾が、住宅地としても注目されている。都心に比べて安価なことに加え、豊かな自然を満喫できることなどが背景にある。(中略)
JR中央線の都内最西端と外れに位置する高尾駅だが、中央特快で新宿まで約45分、東京まで約1時間。さらに、JRと京王電鉄の2路線が使えるうえ、JRであれば東京方面への電車は半数が始発列車で、京王は始発から2駅目で、朝のラッシュ時でも座って通勤できる。(以下略)(朝日新聞 3月28日)
「都心に比べて安価なことに加え、豊かな自然を満喫できる」。しかも「朝のラッシュ時でも座って通勤できる」という、良いことずくめの文章で記事が埋められている。
まさかステマ(ステルスマーケティング)や、ネイティブアドではあるまい。
肝心の情報が抜けている。
東京都では、東部よりも西部のほうが花粉の飛散量が多いことだ。しかも尋常な量ではない。
高尾山に近づくにつれて、飛散する花粉の量が激増するのだ(次図)。
「ヒノキの花粉も間もなく飛散終息」より
筆者のように花粉症の人間にとって、春先の高尾山周辺は決して近づきたくないエリアのひとつ・・・・・・へっくしゅん!
「自分は花粉症ではないから、高尾周辺のマンションでも大丈夫」という方。
本当に大丈夫なのか?
抗原(アレルギーを引き起こす物質)の量が多ければ多いほど、花粉症を発症しやすいのだぞ(次図)。
「都内、花粉症の人の分布は西高東低」より
近年では花粉症発症年齢の低下が叫ばれている(花粉症の疫学と治療そしてセルフケア|厚生労働省)。
あなたが大丈夫でも、パートナーや子供も大丈夫なのか?
高尾のマンションを買った人達は、花粉症の心配をしていないのか?
高尾周辺のマンションに住んでいる人たちは、花粉が飛び回る時期に、どのような思いで過ごしているのか?
朝日新聞の記者には、業者サイドのコピペ情報にとどまらず、生活者サイドへのインタビューを含む厚みのある分析記事を期待したい。
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(本日、マンション広告なし)