不動産流通研究所は1月5日、「不動産会社と住宅会社各社トップの年頭挨拶」をホームページに掲載。
不動産大手各社のトップが2016年の不動産市場をどのように捉えているのか、該当部分を抜粋し、最後に「まとめ」を記しておいた。
三井不動産(株)代表取締役社長 菰田正信氏
2016年の見通しですが、地政学的リスクや米国の利上げの影響などから世界経済は全体として不安定な状況が続くと思われますが、国内においては、企業業績は好調を維持し、日本経済は底堅く推移すると考えられます。
三菱地所(株)取締役社長 杉山博孝氏
今年は用地取得競争は依然厳しい状況が続き、工事費も依然高い水準にあり、物件による二極化が更に進む可能性もあり、慎重に選別を行い、事業を進めて参りたい。
住友不動産(株)代表取締役社長 仁島浩順氏
中国経済の減速懸念をはじめ世界経済の動向は予断を許さず、先行きは不透明感を拭えない情勢である。
東急不動産ホールディングス(株)代表取締役社長 大隈郁仁氏
(2016年の不動産市場への言及なし)
東京建物(株)代表取締役 社長執行役員 佐久間 一氏
住宅分譲市場においては、都心・駅近の物件は好調だが、郊外やバス便物件はやや軟調である。
不動産投資市場においては、依然活況を呈しているものの加熱傾向にあるため、慎重な対応が必要である。
野村不動産ホールディングス(株)取締役社長 沓掛英二氏
不動産を取り巻く経済環境はここ数年と比べるとかなり不透明感が強く、厳しいと認識すべきである。
(株)長谷工コーポレーション代表取締役社長 辻 範明氏
マンション市場については、いろいろな不安要素が重なるなか、特に首都圏の供給予測は年央に下方修正した4万3,000戸をさらに下回る結果となりそうです。
分譲価格の高止まりも続いており、今後の市場の動きについては注意深く見ていく必要があります。
(株)大京 代表執行役社長 山口 陽氏
マンション用地は質・量ともに不足し、恒常的な人手不足と人件費上昇のなかで建築費も高止まりしている。
一方、人口・世帯数の減少に伴い、2028年には住宅ストックの約4分の1が空き家になるとの予測があり、今後その有効活用が進まなければ、住環境の悪化や行政コストの増大など様々な問題が生じる。
三菱地所レジデンス(株)取締役社長 小野真路氏
(2016年の不動産市場への言及なし)
住友不動産販売(株)代表取締役社長 田中俊和氏
(2016年の不動産市場への言及なし)
大和ハウス工業(株)代表取締役社長 大野直竹氏
本年は2017年4月に控える消費税再増税により、需要の増加が予想されます。
一方で、2017年は増税後の反動が顕著に表れる可能性があり、経済情勢も先行き不透明な状況です。
まとめ
- 工事費も依然高い水準にあり、物件による二極化が更に進む可能性(三菱地所)
- 先行きは不透明感を拭えない情勢(住友不動産)
- 依然活況を呈しているものの加熱傾向にある(東京建物)
- かなり不透明感が強く、厳しいと認識(野村不動産H)
- 首都圏の供給予測は年央に下方修正した4万3,000戸をさらに下回る(長谷工コーポレーション)
- その(空き家)有効活用が進まなければ、住環境の悪化や行政コストの増大など様々な問題が生じる(大京)
- 2017年4月に控える消費税再増税により、需要の増加が予想(大和ハウス工業)
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