国家戦略特区諮問会議は12月15日、千葉市を小型無人機「ドローン」を使った医薬品の宅配事業を行う特区に指定。
実現すれば世界で初めてのドローン宅配になるというニュースが盛んに報じられていた。
でも、千葉市の特区認定の中には、民泊も入っていることはあまり伝えられていない。
幕張新都心内の住宅地区において「民泊」を展開
12月15日に開催された「第18回 国家戦略特別区域諮問会議」の「資料2-1 指定区域のイメージ(PDF:1.5MB)」の2ページ目に「既存マンションによる『民泊』」が記されている(次図)。
千葉市が11月19日の国家戦略特区WGヒアリングで配布した資料「幕張新都心から挑戦する未来都市実証特区」(PDF:3.8MB)には、次のように記されている。
幕張新都心内の住宅地区において、外国人等の観光やビジネス客を対象に、マンションの一部を宿泊施設として利用する。
幕張ベイタウンでは、マレーシア国立学校の生徒をホームステイで受け入れている実績があるという(2014年9月以降、計4回延べ120人)。
「国家戦略特区WGヒアリング資料(千葉市 H27.11.19)」より
現在、千葉市でAirbnbに登録されている物件数はどのくらいあるのか?
千葉市Airbnb登録物件数は約60件
Airbnbのホームページを開き「千葉市」で検索すると、Airbnbに登録されている物件の地図が表示される(次図)。
地図には千葉市以外の周辺自治体の物件も表示されているので、千葉市内の物件のみを拾っていく。
12月17日現在、Airbnbに登録されている物件は約60件。
千葉市が民泊の対象としている「既存マンション(アパート)」はそのうちの6割。
千葉市のAirbnb登録部件数が約60件というのは、どの程度のものなのか?
23区でAirbnbの登録件数が最も少ない江戸川区が76件(12月1日現在)なので、それよりも少ないということだ。
「東京23区Airbnb市場動向(2015年12月)」のグラフを加工。
首都圏で、23区以外で最初に手を挙げた千葉市民泊の今後
訪日外国人がAirbnbを通じて首都圏での宿泊先を探す際には、渋谷、新宿、秋葉原、浅草といった、海外でもよく知られた地名で検索するケースが多かろう。
民泊需要が高いエリアとは、このような海外で地名のよく知られたエリアだ。
残念ながら千葉市は、外国人の知名度は高くないし、訪日外国人を惹きつけられるような観光地も少ない。
幕張メッセのイベントに参加する外国人の民泊利用を期待しているのか?
特区認定で民泊を解禁すれば、「訪日外国人の利便性向上」が実現するのか?
都内では、大田区に続き、品川区や杉並区でも「民泊条例」の検討が始まっている。
首都圏で、23区の自治体以外で最初に手を挙げた千葉市の民泊の今後に要注視。
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