「「Airbnbを利用している訪日外国人調査」の意外な結果」より、訪日外国人数1位の中国人は、Airbnbの宿泊者としては多くないことが判明している。
なぜ、訪日外国人数1位の中国人はAirbnbをあまり利用していないのか?
中国雲南省昆明市を拠点に活動されているフリーランスライター山谷剛史氏の記事「中国人観光客はAirbnbを使わない」を読んで、納得。
中国でAirbnbが使われないのは、これが浸透前の最先端サービスだから、ではない。前回の記事でも書いたが、中国では「O2O(Online to Offline)」という単語が旬である。
そこで出てくるのは、GoogleでもYouTubeでもFacebookでもAmazonでも言われていた「水土不服」という言葉。
外国のサービスは中国人にしっくりこない、肌に合わない、だから中国の模倣サービスを使うというわけだ。
そして、山谷剛史氏は、Airbnbをベースにしている二つのサイト「途家網」「住百家」を掲げている。
「途家網」「住百家」の中身をひも解いてみよう。
「途家網」「住百家」登録件数の比較
【途家网(http://www.tujia.com/)】
【住百家(http://www.zhubaijia.com/)】
登録件数の多い東京・大阪・京都について、二つのサイトを比較してみた(次図)。
両サイトとも登録件数は約300件。大半がアパート(公寓)。
途家网の大阪が190件で最も多いのは、意外だ。
東京の登録件数は、途家网(76件)より、住百家(109件)のほうが多い。
途家网は別荘(别墅)が多いのに対して、住百家は素人下宿(民宿)が多い。
途家网のサイトのほうが、エリア別、利用料金別の情報を拾いやすいので、以下途家网の情報をひも解いていくことにする。
エリア別・タイプ別登録件数(途家網)
日本に登録されているのは全部で358件(10月22日現在)。そんなに多いわけではない。
そのうちの上位4都府県のエリア別・タイプ別登録件数を次図に示す。
上図にない県としては、札幌6件、名古屋5件、長崎4件、長野2件、広島2件。それ以外の県は1件以下。
途家網サイトに掲載されている、東京と大阪の利用料金を調べてみよう。
エリア別利用料金の分布(途家網)
大阪も東京も信じられないような、激安料金が表示されている、と思ったら、人民元の¥表示だった。
エリア別の利用料金(1泊)の分布は次図のとおり。
大阪は1泊7,600円(400元)以下の物件が最も多い。
東京は、大阪よりもやや高いが、7,600円~13,300円が主流。
一番高い京都で28,500円~38,000円(1,500元~2,000元)!
ちなみに、渋谷区のアパートで1泊8千円台(清掃費別)。
「渋谷区Airbnb 日本のおもてなし文化を損ないかねない状況」より
大田区でも1泊2円台(清掃費別)。
念のため、具体的な物件の仕様を確認してみよう。
マッサージサロンもあります?
たとえば、「外交官の休日の家」という物件は、羽田空港近くのJR東京地下鉄から徒歩14分。
ワイヤレスブロードバンド、空調、独立したキッチンあり。
6部屋の素人下宿(民宿)となっている(次図)。
1泊20,501円(1,079元)!
追加料金の可能性としては、「儿童入住或有可能收取一定额外附加费用(子共たちや、特定の追加料金が適用される場合があります)」 くらいの記載しか見当たらない。
最安値は1泊3,363円(177元)
最寄り駅が三軒茶屋の木造建物(次図)。
各部屋にはエアコン。WiFiが使えて、共用のトイレ、キッチン、洗濯機もあるという。
多少ボロそうな木造建物。
1泊3,363円(177元)の物件の「共享度假屋中还有按摩沙龙(共有別荘マッサージサロンもあります)」という説明書きがとっても気になる(国内Airbnb物件の一部でトンデモナイことが起きている? )。
まだまだ日本人が知らない世界が広がっていそうだ(AirBnB 日本人が関与しない世界が広がっている! )。