不動産経済研究所は10月15日、「9月の首都圏マンション市場動向」を発表。
- 発売は27.2%減の2,430戸。発売先送りで4ヵ月ぶりの減少。
- 契約率66.0%、12月以来の70%割れ。戸当り、単価は4ヵ月連続UP。
「減」「減少」「割れ」とネガティブな表現が続く。UPしたのは単価だけ。
1戸でも「即日完売」?
「即日完売物件(4物件45戸)」として掲載されている3物件は、一番高い倍率でもBrilliaの2倍。他の物件の最高倍率は1倍という惨憺たる状況だ。
残りの1物件の「即日完売」の戸数は、4物件の合計45戸から引き算すると分かる。たったの1戸(=45戸-11戸-18戸-15戸)なのだ!
たったの1戸でも「即日完売」に含めておきたいほどに、首都圏の新築マンション市場はひどい状況になっているのか?
同研究所が過去に発表した数値データも含め、首都圏の新築マンション市場動向のトレンドを可視化(グラフ化)してみよう。
発売戸数・発売単価・販売在庫の推移(首都圏)
発売単価は、2か月連続で下落し、9月は76.1万円にまで下がったものの、大きなトレンドとしては、2013年あたりから上昇傾向にあるとみていいだろ。
ただ、発売戸数のほうは「9月が8月の水準を下回ったのは統計を取り始めた1973年以来初めて(日経 10月15日13:55)」という悲惨な状況だ。
販売在庫が5千戸弱の水準にとどまり続てけている。この先どうなるのか?
発売戸数の推移(1都3県)
23区に着目すると、9月の供給戸数1,157 戸は、前年同月比で▲14.2%の減。
m2単価の推移(1都3県)
23区の発売単価は、7月の119.9万円から94.9万円(9月)と大きく下落しているが、大きなトレンドとしては、2013年あたりから上昇傾向にあることに変わりはない。
投資目的の人はさておき、自分の住まいとしては、まだまだ買うべき状況からは程遠い(いま、マンションを買うべきか?)。
三井不動産グループが販売した横浜市の大規模大型マンションが傾いている問題は、今後のマンション市場にどの程度影響するのだろうか(「杭データ偽装事件」の再発防止は可能か?)。