Airbnbを利用している訪日外国人は、どこの国の人が多いのか?
Airbnbで部屋を貸し出している外国人は多いのか?
最近、複数のマスメディアから、このような質問を立て続けに受けたので調べてみた。
- 都内で宿泊した訪日外国人は、中国人がダントツの1位
- Airbnbで部屋を貸し出している外国人の割合を調べる方法
- Airbnbで部屋を貸し出している外国人の割合は低い
- Airbnb宿泊者がどの国から来たのかを調べる方法
- アメリカとオーストラリアからの宿泊者だけで全体の4割
- まとめ
まずは、訪日外国人の国籍の確認から。
都内で宿泊した訪日外国人は、中国人がダントツの1位
観光庁が定期的に公表している訪日外国人消費動向調査には、都道府県別の訪日外国人(18区分)が掲載されている。
そこで、「平成26年の年間値の推計(暦年)」※確報値の「第3表 主な宿泊地(都道府県47区分および地方運輸局等10区分)別 回答者属性および旅行内容」データを用いて、2014年に都内で宿泊した外国人の国籍の割合をグラフ化してみた。
中国人が29.0%でダントツの1位。
2位韓国人(13.7%)、3位台湾人(12.8%)。隣国からの訪日外国人が多いことが分かる。
次に、Airbnbで部屋を貸し出している外国人の割合を調べてみよう。
Airbnbで部屋を貸し出している外国人の割合を調べる方法
「東京23区Airbnb市場動向(2015年10月度)」で紹介したように、東京23区全体のAirbnb登録物件数は7,706件(10月1日現在)。
7,706件もの物件を一つひとつ調べるのは大変なので、以下のようなポイント・サンプリング調査によって、外国人の割合を推定することにした。
まず、23区でAirbnb登録物件が最も多い渋谷区(1,577件)を対象に、アパートを貸し出している「スーパーホスト(≒優良ホスト)」に絞り込むと137件と表示された(次図)。
137件の中には一人のスーパーホストが複数の物件を扱っている場合があるので、スーパーホストの人数は137よりも少ない。
今回のポイント・サンプリング調査によれば、137件の約9割がスーパーホストの人数(約120名)であることが推定できた。
このあとに紹介する宿泊者調査の手間のことも勘案し、渋谷区のスーパーホスト約120名全員ではなく、表示された順に上から53名のスーパーホストの国名(必ずしも「国籍」とは限らないので「国名」とした)を調べることにした。
Airbnbで部屋を貸し出している外国人の割合は低い
53名のスーパーホストの国名調査結果をグラフに示す。
日本人が73.6%でダントツの1位。2位アメリカ(7.5%)、3位フランス(3.8%)と続く。
アジアでは、台湾が英国などと同じ1.9%で第4位。
中国や韓国はスーパーホスト53名の中にはいなかった!
次に、Airbnbを利用している訪日外国人がどこの国から来たのかを調べる。
Airbnb宿泊者がどの国から来たのかを調べる方法
渋谷区のスーパーホスト53名のそれぞれのプロフィール・ページを開くと、投稿日が新しい順に10名のゲスト(宿泊者)のレビュー(評価コメント)が表示される。
10名のあとに「もっと」のリンクをクリックすると、さらに多くのゲスト・レビューも表示される。
でも、調査の手間を勘案し、調査対象者は最初に表示された10名のゲストに限定した。
各ゲストの写真とともに、どこの国から来たのかが分かるように国名も表示されている(次図)。
国名が表示されていない場合には、さらにゲストのページを開いて国名を確認する。
このようにして、530名(=スーパーホスト53名×ゲスト10名)の国名を一人一人調べていった。
アメリカとオーストラリアからの宿泊者だけで全体の4割
渋谷区Airbnbスーパーホストのアパートに宿泊した530名の国名調査結果をグラフに示す。
1位のアメリカ(23.6%)と2位のオーストラリア(15.7%)だけで、全体の4割近くを占めている。
意外なことに、訪日外国人数1位の中国人や2位の韓国人は、Airbnbの宿泊者としては多くないことが判明した。
まとめ
- 観光庁が定期的に公表している訪日外国人消費動向調査によれば、2014年に都内で宿泊した外国人の割合は中国人が29.0%でダントツの1位。2位韓国人(13.7%)、3位台湾人(12.8%)。隣国からの訪日外国人が多い。
- 渋谷区Airbnbでアパートを貸し出している「スーパーホスト(≒優良ホスト)を対象にポイント・サンプリング調査した結果、Airbnbで部屋を貸し出しているのは、日本人がダントツの1位。2位アメリカ(7.5%)、3位フランス(3.8%)。中国や韓国はスーパーホスト53名の中にはいなかった。
- 渋谷区Airbnbスーパーホストのアパートに宿泊した530名がどこの国から来ているのかといえば、1位のアメリカ(23.6%)と2位のオーストラリア(15.7%)だけで、全体の4割近くを占めている。
- 訪日外国人数1位の中国人や2位の韓国人は、Airbnbの宿泊者としては多くないことが判明した。
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