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バブルの象徴?最高抽選倍率33倍の億ション

不動産経済研究所は9月14日、「8月の首都圏マンション市場動向」を発表。

  • 発売は23.7%増の2、610戸。大型の発売続き2ヵ月連続の増加。
  • 契約率は74.3%。戸当り価格、単価の上昇続くも都区部は下落。

先月の23区の発売価格は7,984万円まで上昇し、「庶民にとって絶望的なまでに上昇!」していることをこのブログで紹介した。

今回、不動産経済研究所は「戸当り価格、単価の上昇続くも都区部は下落」としているが、庶民にとって絶望的な価格水準であることにあまり変わりはないようだ。

同研究所が過去に発表した数値データも含め、首都圏の新築マンション市場動向のトレンドを可視化(グラフ化)してみよう。

(もくじ)

 

発売戸数・発売単価・販売在庫の推移(首都圏)

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発売単価は、7月の85万円から若干下落して82.4万円となったが、大きなトレンドとしては、2013年あたりから上昇傾向にあることに変わりはない。


発売戸数の推移(1都3県)

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23区に着目すると、8月の供給戸数1,142戸は、前年同月比で12.8%の増。
「12.8%の増」といっても、もともと8月は1年を通じて発売戸数が少ない時期。130戸増えただけなので、戸数としてのインパクトは小さい。


m2単価の推移(1都3県)

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23区の発売単価は、119.9万円(7月)から94.4万円(8月)と大きく下落。
でも、大きなトレンドとしては、2013年あたりから上昇傾向にあることに変わりはない。

投資目的の人はさておき、自分の住まいとしては、まだまだ買うべき状況からは程遠い(いま、マンションを買うべきか?)。

 

最高抽選倍率33倍の億ション!

不動産経済研究所が発表した資料には、即日完売物件として、次のように4物件の具体的な発売戸数と抽選倍率なども掲載されている。

  • Brillia Towers目黒:1期3次(品川区、38戸、平均11,151万円、平均5.9倍、最高33倍

  • パークホームズ世田谷梅丘:1期1・2次(世田谷区、15戸、平均7、881万円、平均1.2倍、最高4倍)

  • グランドメソン仙川:4期(調布市、11戸、平均4、648万円、平均1倍、最高1倍

  • BLUE HARBOR TOWERみなとみらい:1期1~3次(西区、229戸、平均9、461万円、平均3.56倍、最高19倍)

グランドメソン仙川のような「平均1倍、最高1倍」は、よくある”なんちゃって即日完売”なのでないのか(マスコミが伝えない、「即日完売」の真実)。

でも、Brillia Towers目黒の「平均5.9倍、最高33倍」という抽選倍率の高さには驚かされる。平均発売価格が11,151万円という億ションなのに、抽選倍率がとっても高いのだ。


ちなみに、Brillia Towers目黒(ブリリアタワーズ目黒)は、先月も即日完売物件として掲載されていた。1期1・2次の抽選倍率は「平均3.4倍、最高43倍」。最高倍率は今回の33倍よりも、もっと高かった。

  • Brillia Towers目黒:1期1・2次(品川区、603戸、平均11,474万円、平均3.4倍、最高43倍

この高抽選倍率のマンションは、目黒駅から徒歩1分のツインタワーマンション(40階建て総戸数524戸+38階建て総戸数416戸、2017年12月上旬完成予定)。
庶民にはまったくもって手が出ない億ション。投資目的で購入する人が多そうだ。
現在のマンションバブルを象徴しているのではないだろうか。

(本日、マンション広告なし)

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