関東・東北豪雨で鬼怒川の堤防が決壊し、茨城県常総市の広いエリアが甚大な被害を受けた。
先日、東京都から配布された防災ブック「東京防災」は、どちらかといえば震災が中心。「集中豪雨」や「土砂災害からの身の守り方について、各2ページの記載がある程度。
そこで、本日は洪水ハザードについて、今一度確認しておこう。
内閣府の「防災情報のページ」に「首都圏における大規模水害の被害想定(PDF:1.6MB)」が掲載されている。
想定されているのは次の二つの河川が氾濫した場合だ。
- 利根川首都圏広域氾濫の被害想定(平成20年3月25日公表)
- 荒川右岸低地氾濫の被害想定(平成20年3月25日公表)
それぞれの被害想定を見てみよう。
利根川首都圏広域氾濫の被害想定(死者約2,600人)
「防災情報のページ」には、いろいろな資料で、いろいろなケースが記されているので、とても分かりにくい。
とりあえず、最新の、中央防災会議「大規模水害対策に関する専門調査会」が平成22年4月に公表した「資料1 大規模水害対策に関する専門調査会報告 首都圏水没~被害軽減のために取るべき対策とは~ 概要版 (PDF:1.59MB)」の頁2に掲載されているケースから。
排水施設が稼働せず、避難率が0%である最悪のケースにおいて、約86万世帯(床上:約68万世帯、床下:約18万世帯)が浸水し、約2,600人の死者が想定されている。
孤立者数は最大約110万人(2日後、避難率0%の場合)。
被害は、文字通り首都圏広域に及ぶ想定となっている。
荒川右岸低地氾濫の被害想定(死者約2,000人)
上記と同じ資料の頁3に掲載されているケースから。
排水施設が稼働せず、避難率が0%で、上流部における越水氾濫を含んだ最悪のケースにおいて、約51万世帯(床上:約45万世帯、床下:約6万世帯)が浸水し、約2,000人の死者が想定されている。
孤立者数は最大約86万人(1日後、避難率0%の場合)。
「利根川首都圏広域氾濫の被害想定」と「荒川右岸低地氾濫の被害想定」からは、江東区の被害想定があまり見えてこない。
江東区の被害想定を知るために別の資料をひも解こう。
江東デルタ貯留型氾濫(江東区の死者約2,200人)
「荒川洪水氾濫時の人的被害想定結果(概要)(PDF:4.4MB)」の頁11より。
200年に1度の洪水の発生確率に対して、墨田区の堤防が決壊し、排水施設が稼働せず、避難率が0%のケース。
死者は江東区 約2,200人、江戸川区 約600人、墨田区 約600人と想定されている。
洪水による被害想定は分かった。
では洪水から身を守るためにはどうすればいいのか?
内閣府の「防災情報のページ」には、洪水から身を守る方法が見当たらない。
そこで国交省が運営しているサイト「カワナビ」に掲載されている「vol.4 水害から身を守る」から概要を紹介しよう。
水害から身を守るには
- ハザードマップを使って、避難場所へのルートを確認しておく(ハザードマップポータルサイト)
- 大きな台風がきそうだとか、集中豪雨になりそうだと分かったときから、どう行動したらいいかを時間ごとに整理しておく
- 洪水が心配されるような大雨が続く場合は、気象や警報に関する情報を常に収集する(川の防災情報、河川ライブカメラ)
あとは、防災アプリをインストールしておけば万全か(インストールしておくべきスマホの無料の防災アプリ(8選))。
※被災された方々にお見舞い申し上げるとともに、 亡くなられた方やそのご遺族の皆様にはお悔やみ申し上げます。