昨日のブログ記事「「民泊」特例では旅館と同等の水準が求められている!」では、大阪府が全国初の「民泊」を特例として認める条例案をこの9月に出そうとしていることや国の「民泊」検討の動向を紹介した。
では、海外、特にAirbnb発祥の地、米国での規制状況はどうなっているのか?
- 米国Airbnbの規制状況マップ
- ローマ法王の訪問に合わせて合法化(フィラデルフィア/ペンシルベニア州)
- 宿泊税・近隣通知など(ポートランド/オレゴン州)
- 宿泊税14%(サンフランシスコ/カリフォルニア州)
- 全米で最も厳しい規制(サンタモニカ/カリフォルニア州)
- 特定のエリアでは禁止(マイアミ/フロリダ州)
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米国Airbnbの規制状況マップ
全米の都市や州では、Airbnbとホテル業界が対立し、2014年の中間選挙で政党・政治団体に選挙資金を投じたり、議会に働きかけるロビー活動が盛んに行われている。
現在、米国各州での米国各州でのAirbnb立法状況は次図のとおりである。
「法案未提出」以外の州の内訳は次の通り。
【法案保留(14州)】
- アリゾナ州
- カリフォルニア州
- ジョージア州
- アイオワ州
- マサチューセッツ州
- ミズーリ州
- ニュージャージー州
- ニューヨーク州
- ペンシルベニア州
- ロードアイランド州
- サウスカロライナ州
- テネシー州
- テキサス州
- バージニア州
【法案不成立(2州)】
- メーン州
- オレゴン州
【法案成立(6州)】
- アラバマ州
- フロリダ州
- メリーランド州
- モンタナ州
- ニューハンプシャー州
- ノースカロライナ州
(情報ソース:In cities and states across the U.S., it's the hotel industry versus Airbnb mashable.com 2015年7月15日)
Airbnbが合法化された主な都市の規制内容を以下に示す。
ローマ法王の訪問に合わせて合法化(フィラデルフィア/ペンシルベニア州)
ローマ法王の訪問(2015年9月22日~27日)による宿泊施設不足を解消するために短期レンタルが合法化される。
- 短期レンタルには、宿泊施設同様、8.5%課税される
- 貸出しできる期間は連続して30日以内
(それ以上は許可申請が必要) - 1年で合計180日以上の貸出しは不可など
(情報ソース:フィラデルフィアにてAirbnb合法化、ローマ法王訪問のため ギズモード・ジャパン 2015年7月6日)
宿泊税・近隣通知など(ポートランド/オレゴン州)
- 普通のホテルと同様、宿泊税を払うこと
- 180ドルの許可検査料を払うこと
- 近隣に通知すること
(情報ソース:Portland legalizes Airbnb-style short-term rentals OregonLive.com 2014年7月30日)
宿泊税14%(サンフランシスコ/カリフォルニア州)
合法化により、2014年10月1日以降の宿泊に対して、14%のホテル滞在税が掛かることになった。
Airbnbによると、税は同社が徴収して宿泊客やホストに代って市に納税するので、新たな書類や納税申告を各自が行う必要はない。
同時に、この税は価格体系とAirbnbで宿泊することの魅力を根本的に変えるかもしれない。
(情報ソース:Airbnb、サンフランシスコの宿泊客から短期滞在税を徴収へ TechCrunch Japan 2014年9月18日)
全米で最も厳しい規制(サンタモニカ/カリフォルニア州)
ロサンゼルス西部に位置するサンタモニカでは、2015年6月から、Airbnbのような短期レンタルに対して、全米で最も厳しい規制が制定された。
- ホストは宿泊者がいる間中、その宿泊施設にいなければならない(不在ホストの禁止)
- ビジネス・ライセンスを登録しなければならない
- 宿泊税14%を徴収しなければならない
- 上記の違反者には500ドルの罰金
これらの規制により、現在の短期レンタル1,700件のうち、1,400件(8割)は店じまいするだろうと市はみている。
(情報ソース:New Regulations To Wipe Out 80% Of Airbnb Rentals In California's Santa Monica Forbes 2015年6月15日)
特定のエリアでは禁止(マイアミ/フロリダ州)
短期レンタル(1日以上6カ月未満)は、マイアミビーチ土地開発規制 142章第5条3節により、特定のエリアでは禁止されている。
不正が発見された場合には、宿泊者は追い出され、ホストには罰金が科せられる。
(情報ソース:Vacation / Short-term Rentals City of Miami Beach)
Airbnbが合法化された多くのケースでは、宿泊税が課せられている。
東京都の宿泊税は、10,000円以上15,000円未満で100円(次表)。
率にして0.7%~1%。サンフランシスコの14%とは一桁違う。
だから宿泊税の導入は、Airbnbへのインパクトはさほど大きくないだろう。
(情報ソース:東京都主税局 宿泊税Q&A)
(本日、マンション広告なし)