住まいサーフィンが6月12日「タワーマンションの階層別流通量と騰落率」調査結果を発表。
- タワーマンションは、低層・中層に比べ高層階の売出率(流通量)が高い
- 新築時と比較し中古騰落率が最も高いのは低層、実需はタワーマンションの低層階が狙い目
住まいサーフィンでは、首都圏で31階建以上のタワーマンションの中古流通量と中古騰落率を調査し、低層・中層・高層別に結果を算出したので、これを公表します。
マンションの建物自体の階数が高ければ高いほど物件利回りが高くなることは既に公表済みですが、タワーマンションの中でも低層・中層は高層に比べ、中古騰落率が高く資産性が保たれやすいことが今回の調査で明らかになりました。
(以下、省略)
中古の騰落率といわれても、株や投信などに慣れ親しんだ人でなければピンとこないのではないか。
- 中古タワーマンションの流通事例数の可視化
- 調査データは首都圏タワーマンションの何パーセントを網羅しているのか
- タワーマンションは高層住戸のほうが下落しやすい
- タワーマンションは高層住戸ほど中古として流通している
また、せっかくの貴重な資料も表データだけでは、直感的に理解しにくい。
住まいサーフィン調べ「図表:首都圏タワーマンション 階層別騰落率と売出率」より
上表を可視化(グラフ化)したうえで、考察してみよう。
中古タワーマンションの流通事例数の可視化
1996年~2013年に分譲された31階建て以上のマンション151棟のうち、2010年~2014年に中古マンションとして売出しがあった76棟の住戸の合計17,403戸(面積、階数、売り出し価格、売り出し年が同一のものは重複とみなし除外されている)の内訳を可視化したのが次のグラフ。
「都心」「23区東」「神奈川南」「神奈川北」以外は、流通事例件数が少ないので、考察するに値しないのではないのか?
そのように感じたので、次に網羅率(新築時の販売棟数における、調査対象とした中古流通棟数の割合)のデータを可視化してみた。
調査データは首都圏タワーマンションの何パーセントを網羅しているのか
発表された「(販売)棟数」「(調査対象)網羅率」から「中古流通棟数(=棟数÷網羅率)」を逆算で求め、可視化したのが次のグラフ。
上図から次のことが読み取れる。
- 「都下」は、調査対象となっている中古流通棟数が1棟しかなく、網羅率も25%と低い(そもそも31階建以上のタワーマンションの販売実績が少ないエリアなのだ)
- 「千葉」の調査対象も4棟と少ないが、調査対象としては31%網羅している
- 「23区南」「23区北」の調査対象もどちらも3棟と少ないが、調査対象としては4割を超えている
そこで、以下の考察対象から「都下」のみ除くこととした。
タワーマンションは高層住戸のほうが下落しやすい
中古マンションの「騰落率(新築時の価格と比較し中古売り出し時の価格騰落率)」という表現が分かりにくいので、「価格変動率」と読み替えることにした。
上図から次のことが読み取れる。
- タワーマンションは、低層・中層に比べて、高層のほうが価格が下落する割合が大きい
- 「都心」「23区南」「神奈川南」のタワーマンションは、階層に係らず、資産価値が高い(新築価格よりも中古価格のほうが高い)
- 「23区西北」のタワーマンションの高層は、中古になると新築時の価格よりも下落する
- 「埼玉」「千葉」のタワーマンションは、階層に係らず、中古になると新築時の価格よりも下落する
タワーマンションの中でも低層・中層は高層に比べ、中古騰落率が高く資産性が保たれやすい理由として、住まいサーフィンは次のように解説している。
高層階の住戸はペントハウス仕様などハイグレード仕様のものが多く、新築時価格が高値となります。
一方低層は、中層や高層に比べ、眺望面の訴求力が弱くなります。都心や神奈川南エリア等、タワーマンションに眺望の良さを求める人が多いエリアでは、大量に販売される新築時は価格設定が安くなります。中古販売時は市場価格に是正されるため、中古騰落率が高くなります。
タワーマンションは高層住戸ほど中古として流通している
「23区南」と「23区北西」以外は、高層のほうが中古売出率(低層・中層・高層の各層の総住戸数に対して、売り出し戸数がどの程度あったかを率で表したもの)が高い。
つまり、高層住戸のほうが中古マンションとして流通しているという意味だ。
住まいサーフィンの解説によれば、その理由は次の通り。
高層は実需のみではなく、セカンドハウスや投資を考慮した購入があるため
住まいサーフィンは会員登録(無料)しないと一部閲覧できないコンテンツがある。念のため。 ⇒「住まいサーフィン」サイトへGO!