住宅金融支援機構は5月28日、「民間住宅ローン利用者の実態調査」(2014年度第3回)の結果を発表。
住宅ローンの「金利タイプ別利用状況」の推移が棒グラフで示されているのだが、いかんせんゴチャゴチャしていて分かりにくい。
(住宅金融支援機構「民間住宅ローン利用者の実態調査」2014年度第3回から)
そこで、3区分(変動型、固定期間選択型、全期間固定型)に集約し、過去に発表されたデータも加えて、折れ線グラフで表現してみた。
民間住宅ローン 変動型の利用は約4割
変動型は3年前の55%をピークに漸減し、2年ほど前からは4割前後で推移。
一方、固定型期間選択型と全期間固定型は2年ほど前から3割前後で推移していることが分かる。
全国で4割近い世帯が住宅ローンを組んでいる!
では、「現代の小作農」である住宅ローン(住宅ローンは現代の小作農)をどのくらいの人が組んでいるのか?
総務省の「家計調査」には、全国・二人以上の世帯のうち勤労者世帯で住宅ローンを支払っている世帯の割合が掲載されているので、グラフ化してみた。
平均値のほか、年間収入に応じた5階層(Ⅰ~Ⅴ)のデータも示した。5階層とは、年収の低い順番に並べ、5等分してグルーピングした階層。
平均値は約35%。つまり、全国で4割近い世帯が住宅ローンを組んでいるのだ。
低収入階層(Ⅰ)が住宅ローンを組んでいる割合は約2割と低い。それ以外の階層は4割前後といったところ。
家計に占める住宅ローン負担割合は2割に張り付いている!
「家計調査」には、全国・二人以上の世帯のうち勤労者世帯で住宅ローンを支払っている世帯の「土地家屋借金返済」と「可処分所得」のデータも公開されている。
そこで、家計に占める住宅ローン負担割合(=土地家屋借金返済÷可処分所得)もグラフ化してみた。
平均値は約2割。
家計に占める住宅ローン負担割合は2割に張り付いていることがよく分かる。
気になるのは、ⅠやⅡといった低収入階層ほど住宅ローンの負担割合が高いことだ。
背伸びしてローンを組んでいるということはないだろうかーー。