富裕層向け情報専門メディア「ゆかしメディア」の気になる記事。
維持費年間3000万円、頭悩ませるプール付きタワーマンション
(略)いくら、アベノミクスで富裕層は資産が増えたとしても、プールは気になるということか。
港区内のあるプール(20メートル×3レーン)付き超高層タワーマンションでは、住民の大手企業勤務(40代男性)によると、年間の維持管理費用が3000万円前後になるという。
タワマン住民たちは、金食い設備とどのように付き合っているのか。
(ゆかしメディア 2015年5月1日)
1世帯あたりにすれば、1.4万円(=3,000万円÷2,090戸)だから大した額ではないという見方もできなくはないが、プールを利用しない人にとっては、文句の言いたくなるところだろう。
富裕層や高所得者向けアピールとして、デベロッパーがプールを流行させたことは否めないが、ある大手デベ社員は「デベによっては、管理の仕事を取るという意味もなかったわけではありません」ともいう。
(同 2015年5月1日)
豪華な共用施設で販促し、あとのツケは住民に回すというビジネスモデルだ。
「コストを考えたら、もうプールを付ける時代ではありません」。
山の手の某タワーマンション売り場の大手デベロッパー担当者がそう説明していた。リーマンショック前にはタワーマンションの格を表すようなオプション施設の一つだったプールだが、それらはすでに隔世の感がある。
(同 2015年5月1日)
で、都内にプール付きタワーマンションがどれくらいあるのか、ネットをググってみた。
「タワーズライフ」というサイトにプール付きタワーマンション特集として、23区内の21物件が掲載されていた。
この21物件をグラフに落としてみると――
たしかにリーマンショック後のプール付きタワーマンションは減っていることが分かる。たったの5件だ。
しかも3件は賃貸マンション。リーマンショック直後に竣工した新築の1件を除くと、実質的には1件だ。
コナミにしろセントラルにせよ、必死になって会員を集めて利益を確保しているのに、マンションの住民という限られた会員を対象にした”屋内プール事業”の収支が成立する訳がないことは、冷静に考えれば誰にも分かったことではないか――。
販促都合で始めてしまった屋内プール事業。
マンションの住民の数が多すぎて、同事業の運営を止めるための合意形成は極めて困難。
デベロッパーが販促のために設けた屋内プールのツケは、住民が将来にわたって払い続けることになる。
(本日、マンション広告なし)