生命保険会社の事務所跡地に建つ大規模マンション。
物件概要
【第1期 予告広告】大手町駅直通9分、駅徒歩5分。総戸数522戸、15階建。販売戸数/未定、1LDK+S(54.88m2)~4LDK(87.91m2)。販売価格/未定。平成28年10月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年6カ月後)。
新聞半紙大のチラシのオモテ面には、一面に生い茂った緑の奥に、エントランスの一部がかいま見えるCG。
口にすると少し恥ずかしくなりそうなキャッチコピーが躍る。
この瞬間、世界は変る。
大手町9mm. 瞬間/環境/転換/装置※1
―環境を瞬間で切り替える、東京の静寂へ。―
「環境を瞬間で切り替える」なんて、誇大広告でないの? と思ったら、ゴマ粒サイズの小さな文字で、なにやらエクスキューズされている。
※1:「瞬間・環境・転換・装置」とは、「東京」駅より直線約5km圏に位置する本物件の職住双方の利便が比較的容易に享受できる特長を売主がイメージし、設定したコミュニケーションワードとなります。なお、本ワードはあくまでイメージであり、本物件の具体的特長を言い表したものではございません。
このマンションは東京駅から近くて通勤に便利な割には「静寂」な環境下に建っているので、我が家に帰ってきた「この瞬間、世界は変わる」というようなことを言いたいのであろう。
ただ、そのようにイメージしているのはあくまでも「売主」であって、住民だとは言っていない。
「売主がイメージ」と主語を明確に示すことで、「住民もそのようにイメージできるようになること保証しているワケではないですよ」とわざわざ逃げを打っている。いやに馬鹿丁寧だ。
また、「瞬間・環境・転換・装置」という文言は、「あくまでイメージ」であり、「本物件の具体的特長を言い表したものではございません」と念押しまでしている。
誰も読まないゴマ粒サイズの小さな文字でエクスキューズ文章さえ載せておけば、あとは「この瞬間、世界は変る」とでもなんとでも言ったもの勝ち。そんな売主の思いが透けて見える。
(本日、マンション広告4枚)