「マンションは管理を買え」というが、マンション管理会社の実態は、ほとんど知られていない。
低価格な提案(これを「リプレイス」という)があったからといって、管理会社を変更してよいものかどうか判断に迷うだろう。
少なくとも多くの実績があれば安心できるのではないか。
業界紙「マンション管理新聞」には毎年5月、マンション管理会社別の受託戸数ランキング・データ(全437社)が掲載されている。
ネットではなかなかお目に掛からない貴重なデータをグラフとともに紹介しよう。
まずは、過去5年間の管理受託戸数のランキング推移から。
マンション管理戸数の推移
マンション管理会社は、「大京アステージ」「日本ハウズイング」「東急コミュニティー」が3強。
これに「長谷エコミュニティ」が続く。
「大京アステージ」「東急コミュニティー」「長谷エコミュニティ」は、親会社が建設したマンションを自動的に管理受託しているから自ずと戸数が多くなるので上位なのは分かる。
独立系の管理会社である「日本ハウズイング」が2012年まで連続で1位だったのは、建設系管理会社の受託戸数に侵食していったことによるものなのであろう。
国土交通省のデータによれば、平成25年末現在の「全国のマンションストック戸数」は約601万戸。
上位3社の受託住戸の合計は約112万戸だから、この3社だけで19%を占めている。
管理受託戸数ランキングTOP20
ちなみに、管理受託の「戸数」のランキング20社(2014年3月末現在)は次のとおりだ。
- 1位:大京アステージ(416,963 戸)
- 2位:日本ハウズイング(396,177 戸)
- 3位:東急コミュニティー(305,219 戸)
- 4位:長谷工コミュユニティ(249,397 戸)
- 5位:三井不動産レジデンシャルサービス(185,828 戸)
- 6位:三菱地所コミュニティ(178,118 戸)
- 7位:合人社計画研究所(174,622 戸)
- 8位:住友不動産建物サービス(169,543 戸)
- 9位:日本総合住生活(158,045 戸)
- 10位:大和ライフネクスト(147,487 戸)
- 11位:コミュニティワン(139,543 戸)
- 12位:野村不動産パートナーズ(131,386 戸)
- 13位:丸紅コミュユニティ(106,842 戸)
- 14位:ダイワサービス(84,819 戸)
- 15位:グローバルコミュニティ(77,024 戸)
- 16位:伊藤忠アーバンコミュニティ(76,728 戸)
- 17位:穴吹コミュユニティ(70,872 戸)
- 18位:あなぶきハウジングサービス(62,550 戸)
- 19位:近鉄住宅管理(59,617 戸)
- 20位:大成有楽不動産(59,388 戸)
マンション管理受託戸数のシェアの変化
管理受託戸数の多い順に累計していったのが次のグラフ。
横軸が管理会社のランキング。
ランキング上位から受託管理戸数を累計していくと、上位50社で全体の戸数の3分の4を占めていることが分かる。
しかも、過去5年間で若干、寡占化が進んでいる。