高齢者を坂の多い郊外から駅前の「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」に移し、空き家になった郊外の広い住戸に若い世代を呼び込もうという京王電鉄の目論見。
高度成長期、駅から少し離れた戸建て住宅に若者夫婦らを呼び込み、沿線住民の数を増やしてきた鉄道会社が、高齢化社会の新たなビジネスモデルを模索している。
京王電鉄は、駅前に高齢者向け住宅を造り、戸建てからの住み替えを進める計画を立てている。
(朝日朝刊25面 2015年2月6日)
沿線の住民からは、サ高住への問い合わせがすでにあるという。
国交省の公表資料を見ると、サ高住は、制度が始まった2011年12月以降、建設費の補助や税の軽減により、全国的に急激に増えていることが分かる。
サ高住データを可視化(地図化)してみた
サービス付き高齢者向け住宅情報提供システムのページに「サービス付き高齢者向け住宅の都道府県別登録状況(H27.1末時点)」が掲載されていたので、可視化(地図化)してみた。
戸数で見ると、首都圏、近畿圏、北九州に多いことが分かる。
まあ、人口が多いのだから、戸数の絶対数が多いのは当然だろう。
そこで人口1,000人当たりの戸数に換算して可視化(地図化)してみたのが次図。
人口は、都道府県、年齢(5歳階級)、男女別人口データ(平成25年10月1日現在)のうち、75歳以上のデータを用いた。
首都圏の自治体は心許ない状況だ。
サ高住戸数、都道府県ランキング
75歳以上人口1000人当たり戸数で、14戸を超えているのは次の11府県。
大阪府はベスト1。大都市の中では例外的に健闘している。
- 1位:大阪府(17.9 戸)
- 2位:沖縄県(16.7 戸)
- 3位:北海道(16.7 戸)
- 4位:群馬県(16.4 戸)
- 5位:三重県(16.0 戸)
- 6位:広島県(15.6 戸)
- 7位:愛媛県(14.7 戸)
- 8位:和歌山県(14.3 戸)
- 9位:山口県(14.1 戸)
- 10位:埼玉県(14.0 戸)
- 11位:鳥取県(14.0 戸)
一方、8戸を下回っているのは次の12都県。
東京都はワースト6と低いレベルに留まっているのが気になるところだ。
- 1位:佐賀県(3.8 戸)
- 2位:宮崎県(4.6 戸)
- 3位:山形県(5.4 戸)
- 4位:新潟県(6.1 戸)
- 5位:高知県(6.4 戸)
- 6位:東京都(6.6 戸)
- 7位:岩手県(6.7 戸)
- 8位:奈良県(6.8 戸)
- 9位:長野県(7.0 戸)
- 10位:鹿児島県(7.3 戸)
- 11位:秋田県(7.7 戸)
- 12位:静岡県(7.8 戸)
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