不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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「竣工時期」と「入居予定時期」のズレを確認しよう!


首都高から20m離れた事務所ビルの跡地に建つ小規模マンション。

物件概要
【予告広告】大手町駅直通7分、駅徒歩5分。総戸数49戸(うち還元住戸2戸)、15階建。販売戸数/未定、2LDK+S(71.70m2)〜4LDK(96.27m2)。販売価格/未定。入居予定時期/平成27年6月中旬(本チラシ掲載日の1年後)。

  • ※2月22日(土)の物件と同じ。

新聞半紙大のチラシ裏面の「物件概要」に目を凝らすと、「竣工時期」が記載されていないことに気づく。
多くのチラシには「竣工時期」と「入居予定時期」が併記されているのに、本日のチラシには「竣工時期」が記載されていない。
大手不動産の物件なのに、なんとも不親切なチラシだ。
でも、「竣工時期」非開示がルール違反かといえば、そうではない。
「建築工事が完了していない場合は、入居予定年月」を表示すればいいことになっているからだ(不動産の表示に関する公正競争規約 別表6)。


ちなみに、建物の建築工事の完了とは、「建物をその用途に従い直ちに使用することができる状態に至ったことをいう」ことになっている(同規約 第18条 第6号)。
また、「建物をその用途に従い直ちに使用することができる状態」とは、次の状態をいう。

ガス、水道、電気等の施設が整備され、購入者が、俗にいう「鍋釜下げて」引越しすれば特段の支障なく生活できる状態をいいます。
なお、広告で、付帯施設として門、塀、植樹等が含まれる旨を表示したとき等は、これらの施設が全て完了したときをもって「工事が完了」したといえることになります。
(不動産公正取引協議会連合会 公正競争規約研究会編『不動産広告の実務と規制(11訂版)』の相談事例(287頁)より)



食品の大量廃棄防止などのために、「製造年月日」の表示を止めて「消費期限」の表示だけが義務づけられているのは、まだ消費者の理解が得られよう。
でも、マンションの「竣工時期」を表示しないことの消費者のメリットを見出すのは困難だ。
「竣工時期」が分かれば、チラシに表示されている建築確認日をもとに、工期の妥当性をチェックすることもできるし――
「竣工時期」と「入居予定時期」のズレが大きければ、その間なにが行われているのか、売主に確認することもできる(消費者に知られたくないことが行われているかも)。


リクルート社が発行しているフリーペーパー「SUUMO新築マンション(首都圏版)」最新版(6月24日号)に登録されている総戸数100戸以上の全154物件について、竣工日から入居日までに要する期間を調べてみた。
竣工日から入居日までに要する期間別の物件数の割合
「1カ月以下」の物件が46%(72件)と最も多く、「1カ月超〜2カ月以下」の物件が38%(59件)と続く。
「2カ月超」の物件は15%(23件)とあまり多くない。
あなたが検討しているマンションの「竣工時期」と「入居予定時期」のズレが2カ月を超えるようであれば、その理由を販売員にシッカリ確認しよう!


(本日、マンション広告2枚)

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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