不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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町内会費を払う義務はないが


更生会社と大手不動産会社がジョイントして建設した、10カ月前に竣工した中規模マンション。

物件概要
【先着順】大手町駅直通7分、駅徒歩7分。総戸数73戸(管理事務室1戸含む)、8階建。販売戸数5戸、3LDK(68.51m2〜72.54m2)。販売価格4,662万5,480円〜4,865万3,560円。平成25年8月上旬竣工済み(本チラシ掲載日の10カ月前)。

  • ※2012年9月14日(金)の物件と同じ。

B4判のチラシ裏面の「物件概要」に目を凝らすと、管理費と修繕積立金に並んで「町内会費/300円」と記されていることに気づく。


本日のテーマは、町内会(自治会)について。


そもそも町内会(自治会)とは?
そもそも町内会(自治会)とは、何なのか?
太平洋戦争の戦時下に大政翼賛会の最末端組織として機能していた町内会(自治会)は、現在では行政組織の末端業務を補うような連絡活動、地域活動を担っている。
ただ、国民一般への法的拘束力を有する法律・政令・府省令には町内会に関する規定はなく、行政組織(国及び地方自治体)とは法的に無関係な存在となっている(町内会 – Wikipedia より)。


大規模なマンションでは、ひとつのマンションで町内会(自治会)が構成されていることが多い。

「マンション全体で地元町会に加入」がもっとも多く、全体の約6割を占めている。
そのうち、約4割のマンションでは「町会加入率が 100%」となっている。
自治会を構成しているマンションは、「自治会を構成し地元町会に入会」と「独立した自治会を構成」を合わせて1割程度となっている。
町会・自治会への加入状況と加入率(江東区)
(『江東区マンション実態調査(平成21年3月)_PDF』8頁より)



町内会費(自治会費)を払う必要はあるのか?
結論から言えば、払う義務はない。
次のように、「町内会費相当分の徴収をマンション管理組合の規約等で定めてもその拘束力はない」という判例があるからだ(平成19年8月7日 東京簡易裁判決 管理費等請求事件

マンション管理組合は、区分所有の対象となる建物並びにその敷地及び付属施設の管理を行うために設置されるのであるから、同組合における多数決による決議は、その目的内の事項に限って、その効力を認めることができるものと解すべきである。
しかし、町内会費の徴収は、共有財産の管理に関する事項ではなく、区分所有法第3条の目的外の事項であるから、マンション管理組合において多数決で決定したり、規約等で定めても、その拘束力はないものと解すべきである。
本件では、原告の規約や議事録によると、管理組合費は月額500円とっており、親和会当時からの経緯によると、そのうちの100円は実質的に町内会費相当分としての徴収の趣旨であり、この町内会費相当分の徴収をマンション管理組合の規約等で定めてもその拘束力はないものと解される。
(平成19年8月7日 東京簡易裁判決 管理費等請求事件)

町内会(自治会)への加入義務はない。あくまでも任意加入なのだ。


町内会(自治会)を中心とした良好な地域コミュニティの形成は必要だ
筆者は、町内会(自治会)に加入しないことを推奨しているわけではない。
原始管理規約で、町内会(自治会)への加入を強制してはいけない(できない)という話だ。
少子高齢社会に向けて、また東日本大震災の教訓を踏まえ、地域の防災力を向上させるためにも、町内会(自治会)を中心とした良好な地域コミュニティの形成は必要だ。
皆さん、町内会(自治会)に入りましょう!
※加入した場合には、もちろん町内会費(自治会費)は払う必要がある。

3.11以後、一定の要件を備えたマンション管理組合に、町内自治会と同様の機能をもたせようとする行政の動きが出てきている(「地域活動を行っているマンション管理組合を町内自治会と同様に取り扱うことができるようになりました」2013年4月1日千葉市)。

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