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小保方貼る子氏(おっと失礼、晴子氏)の論文コピペ問題が波紋を呼んでいる。
著作権に対する認識不足が、ことの発端であろう。
チラシのコピーや分譲マンションの価格表を掲載しているブログが散見されるが、相手の利用許諾を得ていないとすれば、たとえ出典を明示していても著作権法上はアウト。
まあ、大手デベロパーが個人を相手に訴訟を起こすことはないだろうが――。
第二の「貼る子さん」「貼る夫くん」にならないために、文化庁のホームページ「著作権なるほど質問箱」から、ブロガーとして知っておくとよさそうなQ&Aを以下にピックアップしておいた。
※各A(回答)は、文章の抜粋なので、リンク先の詳細内容を確認してほしい。
ちなみに、このブログに「著作権なるほど質問箱」のQ&Aを一部転載することについては、次の記載があるので問題がないという認識だ。
文化庁ホームページについてー著作権
「文化庁ホームページ」に掲載されている個々の情報は著作権の対象となっています。
また,「文化庁ホームページ」全体も編集著作物として著作権の対象となっており,ともに日本国著作権法及び国際条約により保護されています。
当ホームページの内容の全部又は一部については,私的使用又は引用等著作権法上認められた行為として,適宜の方法により出所を明示することにより,引用・転載複製を行うことができます。
利用者の立場(著作物を利用したい)
著作物の利用と契約
- インターネット上で他人の著作物を利用する場合には、どのような行為について権利者の了解が必要ですか。
- ホームページに他人の著作物を利用することは、複製及び自動公衆送信に該当し、著作権者の了解が必要です。
著作権の侵害となる利用、ならない利用
- 最新のベストセラー小説のあらすじを書いて、ホームページに掲載することは、著作権者に断りなく行えますか。
- 2〜3行程度の極く短い内容紹介や「夭折の画家の美しくも哀しい愛の物語」などのキャッチコピー程度のものであれば、著作権が働く利用とは言えず、著作権者の了解の必要ありません。
- 著作権者の了解を得ずに著作物が利用できる場合にはどのような例がありますか。
- 国の法令、地方自治体の条例、裁判所の判決など、著作権法の保護の対象としていない著作物は自由に利用できます。
- 有名なマンガから着想を得て、新たにマンガを書いた場合、著作権の侵害に当たるのでしょうか。
- 一般にアイデイアの利用にとどまっている場合は著作権の問題は生じませんが、それ以外の場合は、著作権の侵害になる可能性があります。
引用
- 「禁転載」の注意書きがあるものは引用できないのでしょうか。
- 公表された著作物は「引用」して利用することができます(第32条第1項)ので、この規定に該当する利用であれば、仮に「禁転載」等の表示があったとしても、著作権侵害にはなりません。
- 国、地方公共団体や独立行政法人が作成した資料や報告書等の刊行物は、「禁転載」や「転載を禁ず」といった表示があれば、引用が出来ないと聞きましたが本当ですか。
- 国等の刊行物の利用について認められている大幅な転載はできませんが、引用することはきます(第32条)。
- 他人の著作物を引用できる限度はどの程度までですか。
- 「引用」とは、例えば自説を補強するために自分の論文の中に他人の文章を掲載しそれを解説する場合のことをいいますが、法律に定められた要件を満たしていれば著作権者の了解なしに著作物を利用することができます(第32条)。
外国の著作物の利用
- 「禁転載」や「転載を禁ず」といった表示がある著作物を引用すると、著作権侵害に当たりますか。
- 公表された著作物は「引用」して利用することができます(第32条第1項)ので、この規定に該当する利用であれば、仮に「禁転載」等の表示があったとしても、著作権侵害にはなりません。
- 外国の著作物を利用するときも著作権者の了解を得なければならないのですか。
- 日本との間でベルヌ条約などの国際条約による保護関係にある国の著作者が創った著作物やその国で最初に発行された著作物は、我が国は保護義務を負っていますので、これらの著作物を我が国で利用する場合は、著作権者の了解を得る必要があります。
- 有名な外国の画家の作品を広告に利用したいのですが、没後50年経っているので、無断で利用することができますか。
- 戦時加算の特例の適用のある作品の場合は、無断で利用できない可能性があります。
インターネット
- ある作家のファンなのですが、インターネット上にその作家のファンサイトを作成しようと考えています。ホームページでは、作家の作品一覧や出版物の表紙を紹介しようとしていますが、著作権の問題がありますか。
- 出版物の表紙には、写真、イラスト、絵画などの著作物を利用したものもあり、本の内容をごく簡潔にまとめた文章も掲載されていますが、これを利用する場合は、著作権者の了解が必要になります。
- 一定の目的で関係するホ−ムペ−ジを開けるようにリンク集を作りましたが、著作権の問題がありますか。
- 一般的に著作権の問題はありません。
- 自分が撮った写真をホ−ムペ−ジに掲載するとき、写っている人の肖像権は問題になりますか。
- 肖像権は判例の積み重ねによって確立しつつある、新しい考え方なので、慎重な配慮が必要です。
- 自分で撮影した歌手や俳優の写真を自己のホ−ムペ−ジで公開する場合、著作権の問題はありますか。
- 芸能人の肖像を無断で広告に利用したり、ホームページに掲載した場合は、肖像権の侵害として、損害賠償請求等を受けることがあります。
- 自分で撮影した風景や電車の写真を自己のホ−ムペ−ジで公開する場合、著作権の問題はありますか。
- 被写体が著作物の場合は問題が生じる可能性がありますが、この場合でも、被写体が例えば公園の銅像のように屋外に恒常的に設置されている美術の著作物や、建築の著作物の場合は大幅な自由利用が認められています(第46条)。
- 人気漫画を真似て描いた絵を、加工して自分のホームページに載せることは、著作権の問題がありますか。
- 元の漫画の著作権は働きますので、漫画の著作権者に無断でホームページに載せることはできません。
- 人気漫画を真似て描いた絵を、自分のホームページに載せることは、著作権の問題がありますか。
- 自分が描いた絵でも漫画を真似ているのであれば、無断で自分のホームページに載せることはできません。
その他
- 私が撮影したアイドルの生写真をネットオークションで出品する際に、写真を載せようと思いますが、許されるのでしょうか。
- そのアイドルの同意がなければ許されません。
- 国や地方公共団体が作成した報告書や白書を利用したいのですが、どうすればよいのですか。
- 国、地方公共団体、独立行政法人等が一般周知するために作成し、その著作の名義で公表した広報資料、調査統計資料、報告書その他これに類する著作物は、「転載を禁ずる」などの転載禁止表示がない限り、説明の材料として新聞、雑誌などの刊行物に転載することができます(第32条第2項)。
- 漫画をホームページに掲載し送信するのは、著作物の公衆送信に該当しますか。
- 質問のようにホームページに掲載し、アクセスに応じて送信するのは自動公衆送信の典型的な例です(第2条第1項第9の4号)。
- インターネットオークションで美術品を販売する場合、作品の画像を無許諾で掲載することはできますか。
- 画像掲載が譲渡等を可能とするための便宜としての効果を超えて、正規の美術品等の市場を圧迫する効果を及ぼすことがないようにするため、ネット上に掲載された画像からの複製を防止するための技術的な手段を施すなど、著作権者の利益を不当に害しないための措置として政令で定めるもの(画像を一定以下の大きさ(チラシなどの場合50cm2以下)・精度(デジタル画像の場合32,400画素以下)にすること等)を講じている場合に限って許諾なしに利用できることとしています。
- 著作物等の「例外的な無断利用」ができる場合
- 「行政の広報資料」等の転載(第32条第2項)
- 一般に周知させることを目的とした資料であること
- 行政機関等の名義の下に公表した資料であること
- 説明の材料として転載すること
- 転載を禁止する旨の表示がないこと
- 「出所の明示」が必要(コピー以外はその慣行があるとき)
- 「行政の広報資料」等の転載(第32条第2項)
著作権者の立場(著作権を保護したい)
- 国の行政機関の「告示」「訓令」「通達」は著作物ですか。ある省で刊行している基本通達集はどうですか。
- 一般に著作物であるものが多いと考えられますが、著作権法によって著作権がないことになっています。また、基本通達集は、一般に編集著作物ですが、国等の公の機関が作成したものついては、著作権が否定されています。
- 新聞等の見出しは著作物となりますか。
- 一般に著作物とは考えられません。
- 私が苦労して調べたデータは、著作権で保護されますか。
- データを収集し、一定の考え方のもとにまとめて整理したものであれば、全体として、編集著作物又はデータベースの著作物として、また、創意工夫をこらした図表にしたような場合は、図形の著作物として、保護される可能性はあります。
- 裁判所の判決は著作物ですか。民間の出版者が編集した著作権重要判例集はどうですか。
- 判決文は一般に著作物ですが、著作権法によって著作権がないことになっています。重要判例集は一般に編集著作物ですが、この場合の民間出版者の編集著作権は保護されます。
- 写真をもとに絵を描きましたが、絵の著作権は誰のものですか。
- 絵を描くことが単なる個人的な練習ということであれば私的使用にともなう翻案として写真の著作権者の了解は必要ありませんが、例えば公開を予定している絵ということであれば、翻案について写真の著作権者としての了解が必要です。
- データベース内にある数値などのデータは著作物ですか。
- 数値などのデータそのものは著作物ではありません。
- 座談会における出席者の発言は著作物ですか。その場合、著作者は誰になるのですか。
- 座談会における出席者の発言は一般的に著作物と考えられます。