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NTTデータの跡地に建つ、幹線道路沿いの大規模マンション。
大手町駅直通14分、駅徒歩8分。総戸数358戸、19階建。平成28年1月下旬竣工(本チラシ掲載日の2年後)。
- 【先着順(=第1期の売れ残り)】販売戸数8戸、3LDK(70.27m2)〜4LDK(87.22m2)。販売価格4,250万円(1戸)〜6,580万円(1戸)、最多価格帯4,700万円台(2戸)。
- 【第2期予告広告】販売戸数/未定、2LDK(58.11m2)〜4LDK(94.01m2)。販売価格/未定。
- ※2013年7月13日(土)・7月21日(日)・10月12日(土)・10月18日(金)・10月25日(金)・11月23日(土)の物件と同じ。
新聞全紙大のチラシの「物件概要」に目を凝らすと次の注釈に気づく。
※本物件の隣地に他社のマンション計画(459戸、15階建て)がございますので、あらかじめご了承ください。
この物件の南側の隣地に他社のマンションが計画されているのだ。
こんな感じ。
隣接して、同じような時期に建設される大規模マンション。
それぞれの限られた敷地において、各事業者の利益が最大限になるように住棟配置が計画される。
本物件であれば、次図のように、敷地の北側に駐車場スペースが設けられ、南側と東側に沿って斜線制限ギリギリの棟が配置される。
それでもって、利益最大化のために、敷地の真ん中に日照・通風のイマイチな棟が配置される。
南側の隣接物件もまた、次図のように敷地を最大限に有効活用するように計画されるから、日照・通風環境がイマイチなD棟・E棟が配置される。
それぞれの物件において、各事業者の利益が最大化するように敷地内に住戸が詰め込まれた配置になるのは避けられないのだが――
今回のように、同じような時期に隣接して建設される大規模マンションなのだから、少しはWin-Winの関係で設計が進められても良さそうに思うのだが、そのような全体最適化を検討したような形跡は、住棟配置からは感じられない。
両者の住棟配置は次図のように全くもってバラバラなのだ。
両事業者の間に協調性よりも、限られた顧客を奪い合う競争原理が働き過ぎると――南側のマンションを計画する事業者には、相手のマンション(北側のマンション)がより不利になるような計画を立てようとするインセンティブが働くことにならないか。
北側のマンションの日照・通風に悪影響を及ぼすような住棟配置計画としてみたり、ゴミ置き場を敷地の北側に配置したりとか。
ちなみに、両物件のマンションギャラリーも、駅徒歩数分の一等地に、駐車場を挟んで並んでいる。
駅に近い方にマンションギャラリーの入り口を構えているのは、南側のマンションの事業者だ。
敷地といい、マンションギャラリーの位置といい、どちらも南側のマンションの事業者が有利ではないか。
ただ、事業者にとっての有利・不利は、たった一つの住戸を選択する消費者にとっては、さほど重要ではない。
選んだ住戸が購入額に見合った環境が確保されているかどうかが問題なのだ。
両マンションに関心のある人は、それぞれのモデルルームに出向いて、営業マン繰り出す相手のマンションのネガティブキャンペーにシッカリ耳を傾けよう。