不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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史上最低金利 住宅ローン破たんに要注意

建設中の大規模マンションの南側に隣接して建つ大規模マンション。

物件概要

【第1期1次〜第2期4次 先着順】大手町駅直通14分、駅徒歩7分。総戸数459戸、15階建。販売戸数19戸、2LDK(60.03m2)〜4LDK(85.07m2)。販売価格3,978万円〜7,098万円、最多価格帯4,600万円台(3戸)。平成27年8月中旬竣工(本チラシ掲載日の8カ月後)。

  • ※2013年5月18日(土)・6月1日(土)・8月23日(金)・11月1日(金)・11月9日(土)・11月29日(金)・12月21日(土)、2014年3月28日(金)・7月11日(金)・8月8日(金)・11月21日(金)の物件と同じ。

新聞半紙大のチラシ裏面に、3つの間取り図とよく見かける月々返済額の表示。

3LDK、専有面積75.67m2

販売価格5,268万円(税込)

月々返済額110,826円、ボーナス時加算(年2回)102,063円

  • 頭金528万円、借入金4,740円、借入期間35年、金利0.725%(変動)

ボーナス併用の返済事例。

今の時代、一寸先は闇。公務員のように安定的にボーナスがもらえない人のために、みずほ銀行の住宅ローン返済額シミュレーションを使って、ボーナス時加算額0円の場合の返済額を計算してみた。

 

ボーナス併用(102,063円×年2回)時の返済額111,160円(チラシの数110,826円と若干合わないのは、入力データの有効数字の誤差によるもの)に対して、ボーナス時加算額0円の場合の返済額は127,812円。

その差16,652円。

毎月1万6千円くらい増えたって、たいしたことはない。一日あたりコーヒー1杯分(533円)じゃないか」と思われた方は要注意。

そもそも金利が0.725%の変動金利。この先35年間この史上最低の金利が続かないことは明らかだ。

 

仮に、金利が1%上がれば(1.725%)、ボーナス併用であったとしても、月々返済額は150,412円(39,252円増)。金利が2%上がれば(2.725%)、月々返済額は175,221円(64,061円増)に跳ね上がる。

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 では、どの程度ならローン(借金)を組んでいいのか?

三菱UFJ信託銀行のホームページに、返済負担率(=年間返済額合計÷税込み年収)を指標として、住宅ローンの融資可能額(民間金融機関の例が掲載されている。

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返済負担率25%とは、どの程度のレベルなのか?

住宅ローンが危ない (平凡社新書)の頁86に「金利と年収、返済負担率の関係」を示す数値データが書かれているので、可視化(グラフ化)してみた。

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 年収が300万円の人は、35年返済であっても金利1%のときの返済負担率が34%。年収の3割超を借金の返済にあてなけらばならないのでNG。


年収500万円の人は、35年返済・金利1%のときは返済負担率20.3%でなんとかなりそうだが、金利が2%になると返済負担率が23.9%ととなりやや苦しくなってくる。


年収700万円以上の人であれば、35年返済の場合、金利が4.5%まで上昇しても返済負担率は24.3%なので何とか耐えられそうだ。

 

まあ、金利の変動だけでなく、「リストラ」や「定年退職」による収入減、「投資物件の失敗」や「離婚」、「ゆとりローン/ステップローン」など思わぬ負担増によるローン破たんがあり得る(破綻事例は全国住宅ローン救済・任意売却支援協会のホームページに多数掲載されている)。

 

全地方裁判所・東京高等裁判所管内・東京地方裁判所管内の自然人(≒個人)の自己破産件数の推移は次図の通りだ。

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減少傾向にあるが、全国では毎月約6,000件、年間7万2千件の自己破産が発生していることが分かる。
詳しくは、住宅ローン破たん、年間100世帯中2〜3世帯ご参照。

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2020年6月1日、このブログ開設から16周年を迎えました (^_^)/
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