11月16日(土)午前8時55分ごろ、ソウル市江南区の高層マンションに民間のヘリコプターが衝突し、墜落。搭乗していた2人が死亡。マンション住民の被害はないという。
先週末、マスコミ各社のネットニュ−スを賑わせた記事だ。
この事故が大々的に報じられたからといって、日本の超高層マンションに住んでいる人は、身の安全を守るためにできることはほとんどないだろう。
自分の住んでいるマンションにヘリコプターが衝突してこないかと悩むことは、中国古代の杞の人が天が崩れ落ちてきはしないかと心配したという杞憂(取り越し苦労)に近い。
マスコミがこのようなどうでもいいニュース(関係者にとっては大変気の毒であることは当然のこととしても)を報じる理由は、犬が人を噛めばニュースにはならないが、人が犬を噛めばニュースになるがごとき珍しいがゆえ。
さらに言えば、超高層マンションに残されたヘリの衝突跡が映像として耳目を集めやすいから(視聴率を取りやすいから)であろう。
マンションの室内にいて遭遇する事故としては、転倒死や浴槽内での溺死の可能性の方がはるかに高い。
マンションに限らないが、厚生労働省が発表した2012年の人口動態統計の死亡確定数「家庭における主な不慮の事故」によれば、「スリップ、つまずき及びよろめきによる同一平面上での転倒」による死亡者数は1,482人(うち65歳以上は1,336人)。
また、「浴槽内での溺死及び溺水」よる死亡者数は5,067人(うち65歳以上は4,589人)という驚くべき多さだ。
ヘリによる衝突事故よりも、転倒死や浴槽内での溺死といった家庭内事故に気をつけよう!