NTTデータの跡地に建つ、幹線道路沿いの大規模マンション。
【予告広告】大手町駅直通14分、駅徒歩8分。総戸数358戸、19階建。販売戸数/未定、2LDK(58.11m2)〜4LDK(99.14m2)。販売価格/未定。平成28年1月下旬竣工(本チラシ掲載日の2年3カ月後)。
- ※7月13日(土)、7月21日(日)の物件と同じ。
新聞半紙大のチラシ裏面に掲載されたサービスの数々。
その中で気になったのは、次の3つのサービス。
- 各階ダストステーション
- 各種シェアリングサービス
- 紀伊國屋との提携サービス
順番に確認していこう。
各階ダストステーション
物件のホームページには、次の説明書きがある。- エレベーターに乗る必要もなくゴミ出しの負担が軽減される各階ダストステーション
19階建ての高層マンションだから、1階に下りることなく、自分の住んでいる階でゴミを捨てられるというのは、確かに楽だ。
でも、各階に捨てられたゴミを回収するのは、管理組合から委託された人だ。
毎日ではないにしても、19のフロアに分散されたゴミを回収するのはかなりの手間だし、ゴミを回収した後の清掃手間も欠かせない。
その人件費を負担しているのは住民であることを忘れてはならない。
また、ゴミ捨て場を各フロアに設けることで、生ごみ等の悪臭源が19カ所に分散されてしまうことにも要留意。
1箇所(1階)にゴミ捨て場を設けたほうが、人件費的にも、衛生管理の面でも優れていると思う。
各種シェアリングサービス
各種シェアリングサービスとして、「カーシェアリング(1台、有料)」「シェアサイクル(電動自転車8台・マウンテンバイク2台)」の他、「主なシェアアイテム(予定)」として、以下が列挙されている。- バーベキューセット
- 布団乾燥機
- 自転車空気入れ
- カークリーナー
- グローブセット
- 野球ボール
- サッカーボール
- サッカーゴールセット
- バトミントンセット
- 工具セット
- 台車
- 一輪車 その他
電動自転車(8台)やマウンテンバイク(2台)は、数年でぶっ壊れるだろうから、その都度買い替えなければならない。
電動自転車やマウンテンバイクを使わない多くの住民にとって、買い替え費用を負担しなければならないのは違和感があろう。
「グローブセット」や「野球ボール」、「サッカーボール」や「バトミントンセット」といった運動用具は消耗品だから、頻繁に買い替える必要がある。すぐに切れるバトミントンのガットは誰が補修するのか――。
そもそも、こういった運動用具はシェアに馴染むのか?
まあ、シェアして便利そうなのは、多くの住民が利用しそうな「自転車空気入れ」と「台車」くらいではないだろうか。
紀伊國屋との提携サービス
チラシには、書籍が壁面ラックに収納された「ライブラリー&スタディルーム」の写真が掲載されている。- 紀伊國屋書店と提携により月刊誌・季刊誌が届けられるライブラリー、Wi-Fi環境が整ったスタディールームなどをご用意します。
月刊誌・季刊誌の好みは十人十色。
「ライブラリー&スタディルーム」のお飾りのために、月刊誌・季刊誌の費用を負担するのは住民だ。
配本されたバックナンバーの処理はどうするのか? どこかに保管するのか? 廃棄するのか? その手間だってバカにならない。
読まれない月刊誌・季刊誌を購入して壁面収納ラックに並べるよりも、住民が読み終えた書籍をシェアするほうが、良好なコミュニティの形成促進にも役立ちそうだし、おカネもかからない。
-
- -
以上の3つのサービスは魅力的に見えるが、よくよく考えてみると、それほど有用ではないことがご理解いただけただろうか。
数年前のチラシでよく見かけたのは、「屋内プール」や「温泉施設」、「シアタールーム」や「ゲストルーム」といった「ハード主体の販促ワザ」。
最近は、今回紹介した3つのサービスのような「ソフト主体の販促ワザ」が流行っている。
どちらも費用を負担するのが住民であることに変わりはないが、初期投資額が小さい(分譲価格への影響が小さい)ことが特徴だ。
(本日、マンション広告3枚)