不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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ファーストクラス(最上級)の住まいであることの根拠レス

駅前の再開発エリアに建つ、商業複合型の超高層マンションの折込チラシ。

【予告広告】東京駅15分(途中で快速乗り換え)、駅徒歩3分。総戸数177戸(地権者住戸12戸、地域優先分譲住戸51戸を含む)、地上29階、地下2階。販売戸数/未定、1LDK(68.11m2)〜4LDK(222.4m2)。販売価格/未定。平成27年4月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年6カ月後)。

  • ※2013年6月23日(日)の物件と同じ。

新聞半紙大のチラシのオモテ面に、売れ行き好調を演出するキャッチコピー。

即日完売御礼 地域住民優先分譲1次
おかげさまで、地域住民優先分譲1次の販売住戸は ご好評につき即日完売いたしました。
多くのご来場、お問い合わせをいただき誠にありがとうございました。

即日完売した「地域住民優先分譲1次」の販売戸数は何戸だったのか?
チラシ裏面の「物件概要」に目を凝らすと、「第1期販売」予定住戸の補足説明として、次の記載があることに気付く。

※表示の専有面積、バルコニー面積等は地域住民優先分譲販売(35戸)及び地域住民優先分譲2次販売(16戸)以降に供給予定の全住戸(114戸)を基にしております。

つまり、地域住民優先分譲1次(35戸)は即日完売したものの、地域住民優先分譲2次販売(16戸)は即日完売に至らなかったことが分かる。


そもそも「地域住民」の定義が開示されていないし、本当に特定の地域の住民だけに限定した優先販売だったのかどうか――
地域限定の先行販売で、地域外の人たちの渇望感を高める販促ワザではないのか。


さて、このチラシのオモテ面には、もう一つ気になるキャッチコピーがある。

東京の空に、ファーストクラスの住まいを。
東京の空に、あたらしい未来を目にする時が訪れました。確かな安全性のもとに、美しく、快適に生まれ変わる(中略)洗練のデザインをまとったランドマーク。
やがて現れる未来の駅前風景の中、それは最初の憧れとなる、ファーストクラスの住まいです。

「ファーストクラスの住まい」という表現。
ファーストクラス=最上級。
最上級を意味する用語は、根拠となる事実を併せて表示する場合に限り使用することができることになっている(「不動産の表示に関する公正競争規約」第18条「特定用語の使用基準」)。
「駅前再開発エリアの、商業複合型免震タワー」であることをもって、ファーストクラス(最上級)の住まいとは言えまい。

第18条(特定用語の使用基準)

  • 第1項 ※省略。
  • 第2項 事業者は、次に掲げる用語を用いて表示するときは、それぞれ当該表示内容を裏付ける合理的な根拠を示す資料を現に有している場合を除き、当該用語を使用してはならない。この場合において、第4号及び第5号に定める用語については、当該表示内容の根拠となる事実を併せて表示する場合に限り使用することができる。
    • (1) 物件の形質その他の内容又は役務の内容について、「完全」、「完ぺき」、「絶対」、「万全」等、全く欠けるところがないこと又は全く手落ちがないことを意味する用語
    • (2) 物件の形質その他の内容、価格その他の取引条件又は事業者の属性に関する事項について、「日本一」、「日本初」、「業界一」、「超」、「当社だけ」、「他に類を見ない」、「抜群」等、競争事業者の供給するもの又は競争事業者よりも優位に立つことを意味する用語
    • (3) 物件について、「特選」、「厳選」等、一定の基準により選別されたことを意味する用語
    • (4) 物件の形質その他の内容又は価格その他の取引条件に関する事項について、「最高」、「最高級」、「極」、「特級」等、最上級を意味する用語
    • (5) 物件の価格又は賃料等について、「買得」、「掘出」、「土地値」、「格安」、「投売り」、「破格」、「特安」、「激安」、「バーゲンセール」、「安値」等、著しく安いという印象を与える用語
    • (6) 物件について、「完売」等著しく人気が高く、売行きがよいという印象を与える用語

(本日、マンション広告7枚)

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2020年6月1日、このブログ開設から16周年を迎えました (^_^)/
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