運河に面した大規模マンション。
【先着順】大手町駅直通9分、駅徒歩10分。総戸数143戸、14階建。販売戸数9戸、3LDK(66.72m2)〜4LDK(83.57m2)。販売価格3,670万円〜5,190万円。平成26年3月上旬竣工(本チラシ掲載日の5カ月後)。
- ※2012年11月3日(土)、2013年4月26日(金)・5月11日(土)の物件と同じ。
B4サイズのチラシのオモテ面のキャッチコピー。
広い空、輝く水面、
東京駅5km圏の開放区。
「空」「水」「解放」は、マンションチラシでよく見かける言葉だ。
チラシ裏面には――
キャナルサイドの三角地。
まるでリゾートのような解放感。
言葉の使い方がありきたりで、今一つ心に響いてこない。
もっと詩情あふれる、他のマンションチラシに負けてしまっているぞ!
もっと詩的なキャッチコピーを創るにはどうしたらいいのか・・・・・・などと思いながら、ネットをググっていたら「マンションポエム」なる言葉に行き当たった。
マンションポエムとは、「工場萌え」や「団地マニア」で有名な(?)大山顕氏が2010年8月7日に命名した言葉のようだ。
同氏の執筆による「高級マンション広告コピー『マンションポエム』を分析する」という力作に触発されて、筆者も自宅に保存してあるマンションチラシの中から、マンションポエムなるものを拾ってみた。
先ずは、先月1カ月のチラシの中からのピックアップ。
2013年9月のマンションポエム
- 駅近の躍動と緑の潤いが出会う場所
- 心地よいゆとりと解放感に満たされた住まい
- 眺望、建築、空間、自然。ここは、そのすべてが美しい東京
- 都市の、静域
- “駅近中心”生活始まる
- 潤いまでもデザインする邸
- 上質を追求した洗練の邸宅
- 街と緑と響きあう、洗練の邸宅
疲弊している世の中を反映してなのか、あるいは猛暑だった夏を反映してなのか、「緑」とか「潤い」といった、癒しを与えてくれそうなポエムが目につく。
では、マンションポエムに季節的な違いはあるのか?
今年の4月のチラシの中から、マンションポエムを拾ってみた。
2013年4月のマンションポエム
- 描いたのは、山手沿線の空に暮らす豊かさ
- ○○(=地域名)を愛する、家族のために
- 二つの川の潤いに抱かれる、静寂と解放感に恵まれた美しきレジデンス
- 潤いと利便が集う、新街区へようこそ
- 桜から始まる、四季の歓びを謳歌する
- 安全と安心を選ぶ。かけがえのあない住まい
- 潤いまでもデザインする邸
- この国が、誇る街へ
- 瑞々しい風景が、咲く街で
- 桜色に染まる、空に伸びた街
- 空と光と風のプロジェクト
- 南の優邸、誕生
- 東京人よ、無限の時間を手に入れよう
- 桜舞う、○○(=地名)に住まう
9月に目についた「潤い」という言葉は、4月にも多く目につく。
「桜」という“季語”を使っている以外には、特に9月との大きな違いは見られない。
念のために昨年の冬(12月)のチラシの中から、マンションポエムを拾ってみた。
2012年12月のマンションポエム
- 未来のふるさとを創ろうプロジェクト
- ○○(=地名)に600の夢が、いよいよ咲き誇る
- 免震構造マンション 愛しのわが庭
- 最後を飾る潤いのタワー
- 都心直結の都市型レジデンス誕生
- 都心のほとり、新しい○○(=地名)ライフ
- 潤う、毎日。水と緑のガーデンシティ誕生
特に、冬(12月)だからといって、4月・9月と比べて、マンションポエムに大きな違いは見られない。
12月にも「潤い」といった言葉が目につく。
最近のマンションポエムの流行語は「潤い」なのか?
念のために、9年前の9月のチラシを調べてみた。
2004年9月のマンションポエム
- 駅徒歩2分の聖域
- 川面に佇む住まい。450家族の笑顔を育む 水と緑の解放区
- 水辺に潤う、上質な暮らし。その歓びをあなたへ
- 東京の心地よさは進化している
- 美しく、住む。気持ちよく、暮す
- 「ゆとり」と「美」のウォーターフロントLife
- 都心を優雅に使いこなす、かけがえのない価値ある場所
- 前へ、前へ、ワタシもマチも
- 海辺暮らしの自由。港区暮らしのわがまま
- 海は、やすらぎへ。到達点はここにある
- 会いたかった生活
- 街と家族を愛する住まい
- 羨望の幕張ベイタウンに、○○(=物件名)誕生
- 幕張ベイタウンに描く、先進の邸宅美
- 風さそう静地
- 駅3分、寛ぎの私邸、誕生
- 高い利便性と潤い豊かなこの地を得て始まる、プレミアムライフ
- 「近さ」と「閑静」のプレミアムバランス
- 気持ちいね。素敵だね。リバーサイドスイートホーム
- 誰よりも、美しい時間へ
- 南の空が、心地よい
- きらめく夜景が暮らしのインテリアになる
- 東京にないタワーを創ろう
- その惑星に住める日がくる
- 銀座・台場、最前席
- 銀座へ徒歩8分。洗練の風そよぐ風景に、心を解き放つ
- 今までと違う、家族の日常
- 心奪う瞬間に出逢う
- 広さに憩い、人生を楽しむ
- このスケールと開放感は、さりげなく誇らしい
- 緑豊かに、駅前で暮らそう
- 休日がすばらしい街
- 緑と歴史に抱かれた閑静な地に、潤いとくつろぎの住空間
9年前のマンションポエムにも「潤い」という言葉は、3つ見られるので、最近のはやり言葉とはいえなさそうだ。
9年前のマンションポエムには、「進化」とか「前へ、前へ」とか「プレミアム」とかいった言葉に代表されるように、元気だった時代の勢いを感じるのは筆者だけだろうか――。
(本日、マンション広告2枚)