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湾岸の、駅から遠い大規模マンション。
【第2期1次 予告広告(1街区)】大手町駅直通20分、駅徒歩25分。総戸数364戸(171戸(1街区)+193戸(2街区))、11階建て(1街区)+12階建て(2街区)。販売戸数16戸、3LDK(70.53m2)〜4LDK(90.14m2)。販売価格2,300万円台〜3,700万円台、最多価格帯2,800万円台(4戸)。1街区:平成26年2月下旬竣工(本チラシ掲載日の5カ月後)、2街区:平成26年8月下旬竣工(本チラシ掲載日の11カ月後)。
- ※2012年12月8日(土)、2013年2月1日(金)・5月24日(金)の物件と同じ。
新聞全紙大のチラシ裏面の「物件概要」に目を凝らしていて、興味深い表記を発見!
自転車置場
- 【1街区】敷地内に406台設置
- ※レンタサイクル用2台含む(月額使用料:1住戸1区画無償、2区画目以降は上段ラック:100円、スライドラック:300円)
- 【2街区】敷地内に451台設置
- ※レンタサイクル用2台含む(月額使用料:未定)
サイクルポート
- 【1街区】19区画(月額使用料:2,500円)
- 【2街区】29区画(月額使用料:未定)
「1街区」「2街区」とも、「自転車置場」と「サイクルポート」が併設されている。
「自転車置場」と「サイクルポート」の違いは、前者の多くが1段または2段のラック式で、「設置台数」=「収納台数」であるのに対して、後者は「区画数」=「世帯数」で、自転車だけでなくスペースに余裕があればミニバイクを置くことも可能。
このマンションは「バス6分+バス停下車徒歩7分」。駅から遠いので、生活の足としての自転車が欠かせない。
だから、最初から十分な駐輪スペースがないと、後々駐輪場の増設問題が浮上することになる。
で、このマンションには、十分な駐輪スペースが確保されているのか?
以下に確認してみよう。
1街区の総戸数171戸に対しては、自転車置場406台(レンタサイクル用2台含む)、サイクルポート19区画だから――
1世帯あたり2.65台[=(自転車置場406台−レンタサイクル用2台)÷(171戸−19区画)]
サイクルポートの割合は11%(=19区画÷171戸)
また、2街区の総戸数193戸に対しては、自転車置場451台(レンタサイクル用2台含む)、サイクルポート29区画だから――
1世帯あたり2.73台[=(自転車置場451台−レンタサイクル用2台)÷(193戸−29区画)]
サイクルポートの割合は15%(=29区画÷193戸)
まあ、サイクルポートもあるが、1世帯あたり2.65台〜2.73台。駅から遠いことを考えると、ここは1世帯あたり3台以上は欲しいところだ。
さて、ここで面白いのは、1街区が1世帯あたり2.65台・サイクルポートの割合が11%であるのに対して、2街区は1世帯あたり2.73台・サイクルポートの割合が15%と、1街区よりも余裕があることだ。
チラシでは、1街区の月額使用料は明記されているのに、2街区の月額使用料は「未定」となっている。
仮に、2街区の月額使用料が1街区と同じであった場合には、2街区と比べて駐輪スペースに余裕のない1街区を購入した人は、将来、駐輪場増設リスクが高い分、不利であることに要留意だ。
1街区を購入して人にとって、この不公平感を解消するためには、理屈上では2街区の月額使用料のほうが高く設定される必要があるのだが、そのことを後から販売される2街区の購入希望者に説明、納得してもらうのは難しそうだ。
2街区の購入希望者への面倒な説明を避けるために、2街区の販売時には、1街区の月額使用料と同額となる可能性が高いので、1街区の購入者は、こと駐輪場に関しては、2街区の購入者と比べて、不利益を被る構造となっている。
このような1街区の購入者が2街区の購入者に比べて不利益を被るのは、1世帯当たりの駐輪台数とサイクルポートの割合が街区によって異なることに端を発している。
後から販売される2街区の人が不利益を被る構造であれば、そのことを納得した人だけが購入すればいいので問題はないのだが、先に販売される1街区を購入する人にとっては、自分が不利益を被る可能性を認識できないことが問題なのだ。
駐輪場の種類が分かるよう、参考までに、主な企業のホームページ情報をまとめておいた。
主な駐輪場メーカー
※★印は、どんな駐輪場があるのかを知る上のお役立ちの程度を示している。企業そのものの良し悪しとは無関係。筆者の独断。- 新和企業株式会社(サイクルラックの製造・販売・据付・保守)設立:昭和43年4月、資本金4億9,900万円
- 一部の製品につき使用方法が分かりやすいイラストで示されている。PDFの詳細カタログあり。★★
- 株式会社シーディアイ(自転車駐車場をトータルプロデュース・販売)設立:平成13年6月、資本金:7,000万円
- 全国の施工実績一覧あり。★★
- KYテクノロジー株式会社(サイクルラックの製造・販売)設立:平成23年4月、資本金:9,000円
- 設計価格とPDFの詳細カタログ、一部製品の収納状況が分かる動画あり。★★
- サス・サンワ株式会社(駐輪設備の開発・販売・施工)設立:昭和23年4月、資本金:5,000万円
- PDFの詳細カタログあり。★
- 株式会社ダイケン(鋼製物置、ガレージ、自転車置場、サイクルラックの製造、販売)設立:昭和23年3月、資本金4億8,152万円
- スライドラック(フットペダル式)の動画あり。★
- 株式会社ダイゾー(駐輪場施設の製造・販売・施工)設立:昭和11年4月、資本金3億1,000万円
- 使用方法が分かりやすいイラストで示されている。一部製品の収納状況が分かる動画あり。★
- 株式会社ニチプレ(駐輪場施設の製造・販売・施工)設立:昭和41年、資本金1,000万円
--カタログ(PDF)あり。
- 株式会社ニッタン(駐輪場設備の企画・開発・設計・製造・販売・施工・メンテナンス)設立:昭和39年11月、資本金6,000万円
--図面(PDF)あり。
- 日本サンサイクル株式会社(自転車・自動車の駐車場に関する一切の設計、製品の製造、製品の販売、保守、運営管理)設立:昭和59年3月、資本金4,000万円
- 株式会社マキテック(駐輪各種ラック)設立:昭和59年3月、資本金7,912万円
- カタログは請求しないともらえない。
- 横浜特殊船舶株式会社(自転車駐輪ラック)設立:昭和52年7月、資本金5,400万円
- 図面と動画が1画面で見ることができる。
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