幹線道路の交差点に極近の、周辺環境が劣悪な小規模マンション。
【予告広告】大手町駅25分(途中乗換)、駅徒歩4分。総戸数31戸(店舗1戸含む)、11階建。販売戸数/未定、間取り未定(56.54m2〜74.80m2)。販売価格/未定。平成26年10月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年3カ月後)。
新聞半紙大のチラシのオモテ面に、安心と実績を謳うキャッチコピー。
- 安心と実績の東証一部上場企業
- マンション供給実績 13,081戸
- ※平成12年度〜平成24年度
知名度の低いデベロッパーが「安心と実績」を喧伝すればするほど、心配になってくるのではないだろうか。
13年間のマンション供給実績が13,081戸ということは、年間にして1千戸。
この戸数を多いと見る、少ないと見るか。
ディベロッパーを選ぶポイントは「シェアが高いこと」「実績が豊富であること」「経営が安定していること」の3点(詳細は後述)。
このデベロッパーで大丈夫なの? と感じたら最低限のチェックとして、ネットで「ネガティブ情報」の有無をおさえておこう。
上場企業であれば、国土交通省ネガティブ情報等検索サイトで過去の処分履歴を確認できる。
この物件のデベロッパーは、5年前に下記の違反行為によって、行政処分を受けていることが分かる。
- 処分等年月日:2008年12月25日
- 処分等の種類:指示
- 違反行為の概要
- 住宅の販売に際する重要事項説明において、真正でない検査済証をもとに交付を受けた「住宅性能評価書」により、当該住宅が住宅性能評価を受けた新築住宅であるとした説明を行ったもの。
また、デベロッパーの経営状況を知るには、「企業価値検索サービス Ullet」がオススメ。
上場企業に限られるが、決算書(財務諸表)やニュース、大株主などの情報をワンクリックで分析できる。
デベロッパーを選ぶポイントは3つ
シェアが高いこと
数あるデベロッパーの中でも年間の販売戸数が多いということは、物件組成能力が高いことを意味する。販売戸数の多さを頼みに、例えば業者から安く資材を調達することができるということ。その結果、コストパフォーマンスの高いマンションが出来上がる。
実績が豊富であること
大切な虎の子をはたき、消費者にとって生涯で最大の買い物となるマンション。不具合に対するクレームの多さは一般商品の比ではない。
間取りや設備の使い勝手など、微に入り細に入り、クレームには際限がない。
豊富な実績を持つデベロッパーであれば、このようなクレーム処理を多数手掛けてきているので、商品であるマンションにはかなりの改善が施されている。
実績が豊富なデベロッパーのマンションであれば、ババをつかまされることが少ない。
経営が安定していること
今の時代、一寸先は闇。たとえ大手といえども、いつ経営が傾くか分からない。いったん購入、登記してしまえば、たとえデベロッパーが倒産しても個人の資産は差し押さえられることはないのだが――
瑕疵担保責任の特例として基本構造部分(柱、梁などの住宅の構造耐力上主要な部分と雨水の浸入する部分)の瑕疵担保責任(修補請求権等)が10年間義務付けられることになっているので、デベロッパーの経営は安定していてもらわなければ困る。
数年で倒産してもらっては、クレームをもっていくところがなくなってしまうからだ。
(本日、マンション広告4枚)