臨海部に建つ大規模な超高層マンション。
【予告広告】東京駅11分(途中快速乗換)、駅徒歩13分。総戸数600戸、33階建。販売戸数/未定、1LDK(45.94m2)〜3LDK(84.27m2)。販売価格/未定。平成27年2月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年10カ月後)。
- ※2012年12月1日(土)、2013年1月13日(日) の物件と同じ。
新聞全紙大のチラシのオモテ面のキャチコピー。
都心フロント「○○(=物件のエリア名)」が無限の時間をデザインする。
帰ることをエスケープとは呼ばない。住まいを眠るだけの場所にしない。
たとえば、最上階をすべて共用施設として開放する。
都心方面の眺望が愉しめるラウンジやバー
ゲストをもてなすオーナーズスートやスパ・ジムなど、
全600邸の大規模タワーならではの醍醐味がここにある。
総戸数600戸。一世帯平均3人とすれば、マンション全体で1,800人。
バーや宿泊施設、スパやジムの運営を維持するのに、1,800人規模の市場を相手に、長期にわたって“商売”が成り立つのか。
“商売”を継続するために、税金(=管理費)の新たな投入(管理費の値上げ)が必要にならなければいいのだが・・・・・・。
と、超高層マンションに限らず、大規模マンションに過度な共用施設を設けることに対して、筆者の基本スタンスはネガティブ。
なぜ、大規模超高層マンションの最上階に豪華な共用施設を設けるのか?
販促のためと言ってしまえば、それだけなのだが、ある一つの考えに行き当たった。
最上階の豪華な共用施設は何のためにあるのか?
超高層マンションの上層階の住戸は、金持ちが購入する。
中層階の住戸は、上層階には手が届かない人が購入する。
では、下層階の住戸は、いったいどのような人が購入するのか?
東京オリンピック招致期待の、投資家が購入するのか?
投資家が眺望の劣る下層階を購入するのか?
低層階の住戸が売れなくて困るのは、売主だけでなく――足元(下層階)を支えてくれる人がいなければ、上層階と中層階の住民も困る。
そんなとき、最上階に豪華な共用施設があれば、営業担当者は次の殺し文句を使える。
お客さま、眺望なんて1週間もすれば見飽きてしまいます。
最上階の豪華な共用施設は、マンションの住民であればどなたでもご利用できますから、低層階の安い住戸はとてもお買い得ですよ。
そう、最上階の豪華な共用施設は、低層階の住戸を売りつくすために、不可欠な販促施設だったのだ。
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(本日、マンション広告1枚)