不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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「マンション実態調査結果(東京都)」をひも解いてみた

東京都が3月4日、「マンション実態調査結果」を公表。
マンション耐震化施策の推進に向けた実態把握を目的として、都内の全ての分譲・賃貸マンションを対象に実施されたもの。


サンプリング調査ではなく、都内の全てのマンションを対象にしているところがスゴイ。
都内にあるマンションは、分譲マンション53,213棟、賃貸マンション79,975棟の合計133,188棟。
アンケートの回収率は、分譲マンション17.1%、賃貸マンション31.4%にとどまっているが、アンケートの回答が得られなかったマンションについては、わざわざ現地に出向き、目視で確認できる項目(ピロティの有無、管理人室の有無、階数等)を調査したというから、かなりのマンパワーが投入されている。


ホームページにからダウンロードできる調査結果報告書は、概要版21頁、詳細版75頁。
膨大な調査で力を使い果たしたのか、報告書はグラフが中心となっている(分析に物足りなさを感じる)。


都内の全ての分譲・賃貸マンションを対象にした、大変貴重なデータなので、ちょっとひも解いてみよう。


分譲マンションの割合(23区ランキング)
報告書には、区部と多摩部それぞれの、分譲マンションと賃貸マンションの棟数が棒グラフで表示され、次のように解説されている。
地域別の分譲マンション(区部)
地域別の賃貸マンション(区部)

分譲マンションの地域別の分布を見ると、区部では世田谷区が最も多く、次いで大田区であり、千代田区が最も少ない。また、多摩部では八王子市が最も多く、次いで多摩市となっている。
賃貸マンションの地域別の分布について見ると、区部では世田谷区が最も多く、次いで大田区であり、千代田区が最も少ない。多摩部では八王子市が最も多く、次いで府中市となっている。

全マンションに占める分譲マンションの割合(分譲率)を計算し、23区のランキングのグラフを作ってみた。
分譲・賃貸の棟数(23区)
分譲率が6割を超えているのは、千代田区(85%)、中央区(73%)、港区(61%)の3区。
逆に分譲率が低いのは、江戸川区(21%)、足立区(29%)、葛飾区(31%)。


分譲マンションの大規模化
報告書には、建築年数別の分譲マンションの棟数と戸数の棒グラフと解説も掲載されている。
建築年別に見たマンション棟数・戸数

分譲マンション棟数を建築年別に見ると、1992年〜2001年に建築されたものが最も多く、次いで1982年〜1991年に建築されたものとなっている。
戸数を建築年別に見ると、2002年以降に建築されたものが最も多くなっている。

「02年〜」分譲マンションの棟数が減少しているのに、戸数は増加し続けている。
これは、分譲マンションの1棟当たりの戸数が増えていることを意味している。
すなわち、分譲マンションの大規模化だ。
グラフにするとこんな感じ。
建築年別の分譲マンション棟数(東京都)


規模別の管理費・修繕積立金の実態
報告書には、分譲マンションの規模別に、「管理費」と「修繕積立金」のふたつのグラフが掲載されている。
■管理費
規模別の戸当たり管理費
■修繕積立金
規模別の戸当たり修繕積立金


「管理費」と「修繕積立金」のふたつのグラフを一つにすると、問題が見えてくる。
規模別の戸当たり管理費・修繕積立金(東京都)
「管理費」は、分譲マンションの規模が大きくなるほど安くなるのは、スケールメリットの効果と考えられるのだが、「201戸〜」が高くなるのはなぜか?
豪華な共用設備が増えるためではないのか。


「修繕積立金」は、「1〜20戸」の小規模な分譲マンションを除くと、概ね1万円。
スケールメリットの効果は、ほとんど見られない。
ただ、「管理費」とは逆に、「201戸〜」が安くなるのはなぜか?
スケールメリットの効果なのか、あるいは上述したように「02年〜」の「分譲マンションの大規模化」と相まって、販促のために修繕積立金のレベルが安く設定されたのではないのか・・・・・・。


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