不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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敷地の半分近くを自走式駐車場などが占めているワケ


本日、マンション広告3枚。

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スーパーの跡地に建つ、大規模マンション。

【予告広告】東京駅17分(途中急行に乗り換え)、駅徒歩10分。総戸数239戸、14階建。販売戸数/未定、2LDK+S(67.38m2)〜4LDK(82.22m2)。予定販売価格3,300万円台〜5,800万円台、予定最多価格帯3,600万円台。平成26年1月中旬竣工(本チラシ掲載日の10カ月後)。

  • ※2012年10月6日(土)の物件と同じ。

新聞半紙大のチラシ裏面に掲載されている間取り図は3つ。
うち二つは見栄えの良い角住戸。
総戸数239戸に対して、少数派の角住戸を優先的に掲載するのはフェアではない、といつもなら批判するところであるが、今日は違う。


このチラシには、住戸の配置図も掲載されていて、チラシに掲載されている3つの間取り図がどこに位置するのかが、シッカリ分かるのだ。
次図の番号が付いている住戸が、チラシに掲載されている3つの間取りの位置を示している。
住戸配置図


このチラシのように、たとえ見栄えの良い角住戸の間取り図を優先的に掲載したとしても、その住戸がマンション全体のどこに位置しているのかが分かるようになっていれば、よしとしよう。


でも、この配置図には、別の問題が潜んでいる。
敷地内の北側の半分近くを、駐車場とバイク置場、自転車置場が占めているのがヒント。
自走式駐車場(125台)のためだけに、贅沢な敷地の使い方をしているとは思えない。
チラシに掲載されている現地案内図をよく見ると、敷地内の北側を破線が横切っていることに気付く。
この破線は、敷地の下を地下鉄が走っていることを意味しているのだ。
こんな感じ。
破線は、敷地の下を地下鉄が走っていることを意味している
東京都交通局のホームページによると、敷地の地下を走っている線路を結ぶ二つの駅の深さは、6.9 m(F駅)と18.7 m(I駅)。
この敷地内の北側エリアを、10〜15m程度の深さを地下鉄が走っているということになる。
つまり、将来、マンションを建て替える際に、このエリアには杭を要するようなマンションは建てられないのだ。
このような敷地制約があるのに、チラシにはなにも触れられていない。


業界の自主ルール「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」第8条(特定事項の明示義務)には、次のように規定されている。

地下鉄の線路を敷設する場合等において、土地の全部又は一部の地下の範囲を定めた地上権が設定されているときは、その旨を表示すること。
この場合において、地上権の行使のために土地の利用に制限が加えられているときは、併せてその旨を明示すること

この物件の敷地には、地下鉄の地上権が設定されていないのだろうか・・・・・・。

(ザ・パークハウス 一之江)

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