不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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新築分譲マンションの価格を推定する裏技

競技用シューズを中心とするスポーツ用品メーカーの東京支店跡地に建つ、中規模マンション。

【予告広告】東京駅直通9分(快速利用)、駅徒歩4分。総戸数86戸、15階建。販売戸数/未定、2LDK(67.32m2)〜3LDK(70.94m2)。販売価格/未定。平成26年9月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年10カ月後)。

B4判を横長につなげた変形チラシ。

南向き3LDK中心、豊かな緑が薫る「〇〇公園」とともに暮らす住まい。

この物件の敷地の北西には、テニスコートや野球場、「ふれあい広場」や「ちびっこ広場」、区の総合体育館などを有する〇〇公園が広がっている。
運動にはもってこいの立地だ。
しかも駅徒歩4分とアクセス良好。
ただし、敷地の南100mほど先をJRが走っているので、騒音には要留意。


都心へのアクセスが良好な、この「商業地域」の敷地。
グーグルマップで調べると、スポーツ用品メーカーの東京支店であることが分かる。
さらにこのスポーツ用品メーカーのIR情報をひも解くと、「有価証券報告書(平成23年4月1日〜平成24年3月31日)」に、旧東京支社の土地建物売却益として、固定資産売却益1,301百万円が計上されている。


この物件のデベロッパーは、マンションの用地を約13億円で取得したということが分かる。
以下、この土地取得費13億円を手掛かりに、この物件の分譲価格を推定してみる。

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「物件概要」には「専有面積/67.32m2〜70.94m2」と記されているので、平均専有面積を70m2と想定する。


土地取得費13億円、総戸数86戸だから、平均専有面積を70m2とすれば、以下の試算により、1戸当たりの平均分譲価格は4,322万円と想定できる。

  • 土地取得費:145,600万円(1,693万円/戸)←130,000万円+15,600万円(4%×3年の金利負担)
  • 建築費:145,939万円(1,697万円/戸)←80万円/坪
  • 事業経費:37,172万円(432万円/戸)←分譲価格の10%
  • 事業利潤:37,172万円(432万円/戸)←分譲価格の10%
  • 建設金利:5,838万円(68万円/戸)←建築費の4%÷12カ月×12カ月
  • 分譲価格:371,721万円(4,322万円/戸)←上記計



もし、本広告で発表される分譲価格が、上記想定から大きく外れるようであれば、建築費(80万円/坪)や事業経費(10%)、事業利潤(10%)などが、筆者の想定とは異なったということになるのだが・・・・・・。

(本日、マンション広告2枚)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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