不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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大手デベロッパーの掲げる「マンション防災基準強化」は―


本日、マンション広告2枚。

【予告広告】銀座一丁目駅直通8分、駅徒歩10分。総戸数585戸、43階建。販売戸数/未定、2LDK(55.37m2)〜4LDK(90.35m2)。予定販売価格2,980万円〜7,480万円、予定最多価格帯4,900万円台。平成26年1月中旬竣工(本チラシ掲載日の1年6カ月後)。

  • ※6月16日(土)の物件と同じ。

湾岸の超高層マンション群エリアの外れに建つ、超高層マンション。


新聞半紙大のチラシのオモテ面の下部のキャッチコピー。

  • 免震構造
  • 長期優良住宅認定マンション(国土交通省認定)
  • ○○不動産レジデンシャル<マンション防災基準強化>モデルプロジェクト

「<マンション防災基準強化>モデルプロジェクト」って、なに?

※本物件は防災基準を策定する際のモデルプロジェクトであり、防災基準の全項目を満たしているわけではありません。

おおっ、ゴマ粒サイズの極小文字で、シッカリと逃げが打たれている!


この物件のデベロッパーのホームページを調べると、7月12日付けで、「環境」「防災」をテーマに独自基準が策定した旨の記事(A4×11枚)がリリースされていた。
「防災」については、次のような項目が掲げられている。

<複層防災プログラム>

  • 【建物で守る】免震構造採用・長周期地震動対策(超高層物件)、家具転倒防止システムなど


  • 【ライフラインを保つ】非常用発電機の備蓄燃料増加または太陽光発電と非常用蓄電池、非常用トイレ、非常用水貯留槽など


  • 【共助活動を円滑にする】防災倉庫、各種防災備品、震災マニュアル、防災訓練など


  • 【防災意識を高める】震災対策啓蒙本配布、防災イベント提案など

具体的な内容は下記の通りだ。
これらすべての防災プログラムが導入されたマンションであれば、たしかに安全・安心だ。
でも、すべての項目を満足するのは、難しそうだ。
上述した、デベロッパーの「防災基準の全項目を満たしているわけではありません」、さもありなん。


建物で守る
居住者の方々を守るために、地震に耐えられる建物構造および避難経路を確保

  • 全マンション標準化メニュー
    • 免震構造採用・長周期地震動対策(超高層物件)/MOC家具転倒防止「グリップウォールシステム」/復旧しやすい耐震クラス「S(最上級)」仕様の非常用エレベーター/自動着床機能付きエレベーター/共用部ガラスの飛散防止/玄関扉耐震ドア枠/吊戸棚の耐震ラッチ/足元停電灯


  • 物件特性に合わせて積極的に採用するメニュー
    • マンション地震防災システム(緊急地震速報)など



ライフラインを保つ
被災生活をサポートするために、ライフラインを維持する取り組みを実施

  • 全マンション標準化メニュー
    • 非常用発電機の備蓄燃料増加または太陽光発電設備と非常用蓄電池/非常用水貯留槽/低層部の直結給水/非常用飲料水備蓄


  • 物件特性に合わせて積極的に採用するメニュー
    • 非常用トイレ/カセットガス発電機/ライフラインの配管および排水配管に「可とう継手」を採用/V2Hシステム(EVの停電時利用)/雨水利用/非常用食料備蓄/炊き出しセットなど



共助活動を円滑にする
集合住宅のメリットを活かしてスムーズな共助活動をサポートする様々な施策

  • 全マンション標準化メニュー
    • 防災倉庫/各種防災備品(救助用具、ワンセグTV、メガホン、ホワイトボードなど物件規模に応じて設置)/入居挨拶会「パークホームズグリーティング」/震災マニュアル/防災訓練


  • 物件特性に合わせて積極的に採用するメニュー
    • 共用部放送設備など



防災意識を高める
防災イベントの開催など、居住者の防災意識向上をサポートする様々な施策

  • 全マンション標準化メニュー
    • 震災対策啓蒙本配布/防災イベント提案


  • 物件特性に合わせて積極的に採用するメニュー
    • 防災ディレクター「NPO法人プラス・アーツ」監修の防災イベント開催
2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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