不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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首都圏新築マンション、1戸あたり2台の物件が5割強


本日、マンション広告10枚。

【予告広告】大手町駅20分(途中快速に乗換)、駅徒歩2分。総戸数99戸、15階建。販売戸数/未定、2LDK(54.36m2)〜4LDK(82.41m2)。予定販売価格2,900万円台〜5,700万円台、予定最多価格帯3,300万円台。平成25年7月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年2カ月後)。

商業地区に建つ、駅チカの大規模マンション。


新聞半紙大のチラシのオモテ面に、「駅徒歩2分」の大きな文字が躍っている。
その下には「平置き駐車場 30台」の記載も見られる。
商業地域の駅チカのマンションで、使い勝手の悪い「機械式駐車場」でなく、「平置き駐車場」を確保したのは立派なものだ。
ただ、総戸数99戸に対して、駐車場30台は少なくないだろうか。
抽選に漏れた人は、駅周辺の割高の駐車場を借りるハメになってしまう。


駐輪場のほうはといえば――
チラシ裏面の「物件概要」に、「自転車置場/敷地内100台(2段ラック式)、レンタサイクル/3台」と記されている。
1戸あたり1台の駐輪場では、あまりにも少ない。
しかも使い勝手の悪い「2段ラック式」だ。
上段を利用しなければならない半数の人は、ヨッコラショと煩わしい自転車の上げ下ろしが必要になる。


首都圏の新築マンションの1戸あたりの駐輪台数の実態は、どうなっているのか?
リクルート社のフリーマガジン「SUUMO新築マンション(首都圏版)」の最新号(5月15日号)に登録されていたマンションのうち、駐輪場の設置台数が開示されていた全143件を対象に分析してみた。


143件の1戸あたりの駐輪台数の平均値は1.7台。
首都圏の新築分譲マンションでは、1戸に3台どころか、2台にも及ばない実態が見えてきた。
「総戸数」と「1戸当たりの駐輪台数」の関係をグラフにすると、次図になる。
「総戸数」と「1戸当たりの駐輪台数」の関係
総戸数が200戸以下になると、1戸あたり2台を下回る物件が多いことが分かる。


さらに全143件の「1戸あたりの駐輪台数」のバラつきを整理すると、次図のようになる。
143物件の「1戸当たりの駐輪台数」の分布
1戸あたりの駐輪台数1.6〜2台の物件が全体の5割強。
2台以下の物件が9割近く(=0.7%+11.2%+23.1%+53.8%)を占めている。


1戸あたりの2.1〜2.5台の物件は9.8%。
1戸あたりの2.6〜3台の物件となると、たったの1.4%しかない。
1戸あたりたった2台の駐輪置場では、パパとママの自転車しか置けないではないか!


1戸あたりの適切な駐輪台数は、物件の状況にもよるのだろうが――
本物件のように1台というのはあまりにも少ないと思う。
「『レンタサイクル/3台』を用意しているのでご安心ください」といったセースルトークには要注意だろう。

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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