不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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「住宅着工統計(平成23年度)」を読み解く

国土交通省が4月27日、平成23年度の新設住宅着工戸数を公表。
前年度比2.7%増の84万1246戸と2年連続の増加。
公表された資料は、数値データが中心で認識しにくいので、見える化(グラフ化)してみた。


住宅着工戸数の推移(利用関係別)
「持家」「貸家」「分譲マンション」「分譲戸建て」といった利用関係別の着工戸数の推移は次のグラフの通りである。
住宅着工戸数の推移(利用関係別)
「貸家」は、昭和62年度の887,204戸をピークに大きく減少し、平成23年度は289,762戸とピーク時の3分の1。
「持家(建築主が自分で居住する目的で建築するもの)」は、平成8年度の636,306戸をピークに徐々に減少し、平成23年度は304,822戸とピーク時の半分以下。
「分譲マンション」は、平成6年度以降、20万戸前後を維持していたが、平成19年度以降は大きく減少し、平成21年度67,382戸、平成22年度97,757戸、平成23年度120,092戸と低迷している。


分譲マンション着工戸数の推移(三大都市圏)
三大都市圏の分譲マンション着工戸数の推移は、次のグラフの通りである。
分譲マンション着工戸数の推移(三大都市圏)
首都圏の分譲マンションの着工戸数は、平成18年度の123,931戸をピークに大きく減少し、平成21年度は34,506戸とピーク時の3割以下。
その後、平成22年度57,482戸、平成23年度69,190戸と盛り返すも、10年前の12万戸の水準には遠く及ばない。


都道府県別の住宅着工戸数(平成23年度)

分譲マンション着工戸数(H23年度)
都道府県別の分譲マンションの着工戸数は、東京都が42,865戸でダントツ。
これに神奈川県の15,156戸、大阪府の13,718戸が続く。
全国的に見れば、分譲マンションの着工戸数は、首都圏に偏っていることが分かる。
当然ではあるが、地方では分譲マンションは主流ではない。


では地方では、戸建が主流なのか?
次のグラフを見てほしい。
住宅着工戸数(H23年度 利用関係別内訳(1))
地方では、「分譲マンション」や「分譲戸建」よりも、「持家(建築主が自分で居住する目的で建築するもの)」の着工戸数が多いことが分かる。


上のグラフに「貸家」を加えたのが次のグラフ。
住宅着工戸数(H23年度 利用関係別内訳(2))
東京都や神奈川県、大阪府や福岡県といった大都市では、「分譲マンション」よりも「貸家」の着工戸数のほうが多い。
「持てる者」が「持たざる者」を搾取している、何ともやりきれない姿が浮かび上がってくる。


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