不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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決算キャンペーンの真実

10カ月前に竣工済みの、駅から遠い超高層マンション。

新宿駅20分(途中急行乗り換え)、駅徒歩16分。総戸数90戸(地権者住戸14戸含む)、20階建。平成22年10月竣工済み(本チラシ掲載日の10カ月前)。

  • 【最終期 本広告】販売戸数7戸、3LDK(70.65〜75.68m2)。販売価格4,090万円〜4,750万円。
  • 【先着順】販売戸数12戸、2LDK(60.04m2)〜3LDK(75.68m2)。販売価格2,980万円〜4,590万円。
  • ※2010年5月1日(土)・11月5日(金)、2011年4月29日(金)の物件と同じ。

新聞半紙大のチラシのオモテ面。目につきやすい黄色地に販促のキャンペーンが踊る。

  • 住まい応援「決算キャンペーン」
  • 総額600万円プレゼント!!

「600」の文字が大きいので、600万円の現金がもらえるように錯覚しやすい。
よく見ると、「50万円相当×12戸先着サービス」と記されている。
つまり、先着順の販売対象住戸である12戸に対してのみ、50万円相当(現金ではない)がプレゼントされるということだ。


「50万円相当」の選択肢は、次の4つ。

  • 新居は新しい家電でスタート
    • エコ家電50万円分
  • 食器棚や食洗機も設置できる
    • オプション券50万円分
  • 自分好みのスタイルを実現できる
    • 造作家具50万円分
  • ご購入費用の一部にどうぞ
    • 購入諸費用50万円分



この「50万円相当」のプレゼントを得る上で、次の制約が課せられている(ゴマ粒サイズの小さな文字で記されている)。

  • 先着順受付住戸の12戸が対象となります。最終期住戸は除く。
  • 9月30日までにお引渡しにご協力頂いたお客様に限ります。



「50万円相当」のプレゼントの対象は、「最終期(7戸)」が対象ではなく、売れ残りの「先着順受付住戸(12戸)」であることに留意する必要がある。


「50万円相当」というのは、例えば3,000万円の住戸に対しては、たったの1.7%に過ぎない。
しかも、販売価格から50万円が値引きされるワケでもない。
売主にとっては、値引きすることなく売り上げが立つし(売上高が確保できる)、竣工して10カ月も売れ残っていたダメ住戸を処分することができる。


消費者としては、売れ残りのダメ住戸を、値引き無しでつかまされることの自覚が必要だろう。


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(本日、マンション6枚)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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