不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、マンション選びのためのお役立ち情報を提供しています


超高層マンション、オール“3つ星”を謳う


本日、マンション広告1枚。

【予告広告】銀座1丁目駅直通5分、駅徒歩11分。総戸数600戸、52階建。販売戸数/未定、2LDK(58.87m2)〜4LDK(103.74m2)。販売価格/未定。平成24年12月上旬竣工(本チラシ掲載日の1年半後)。

  • ※1月8日(土)・2月27日(日)の物件と同じ。

湾岸マンション群エリアの一角に建つ最後のタワーマンション。


震災後、「住まいを検討したい」立地として、実家や親族宅に近いエリアを挙げる人が大幅に増えているという(読売広告社都市生活研究所「3.11震災後の住まい選び意識調査」)。
本日の新聞半紙大のチラシには、早くもその思いを取り込んだキャッチコピーが登場。

タワーに新発想を。
人は誰でも安らぎのある日々を望んでいます。
家族の絆が未来へと続くライフステージを選びたいと思っています。
都心の洗練された機能と文化のすぐ近くにありながら、自然を感じて豊かに暮らす。
様々な世代が触れ合い、タワーそのものが豊かな暮らしを育む街となるように。
<安心の、新発想><快適の、新発想>から誕生した、やさしい都心の居住スタイルの提案です。

今回の大震災で、大きくしかも長い時間揺られたり、エレベーターが使えなかったりと、これまで指摘されていた超高層マンションの弱点が顕わになった。
眺望の良さや利便性を高らかに謳うだけでは、集客が難しいということなのだろう。


チラシ裏面には、「東京都マンション環境性能表示」のラベルとともに、次のような謳い文句も見られる。

未来へつなぐ。
エコロジーなどの取り組みを行い、東京都のマンション環境性能表示において、建物の断熱性、設備の省エネ性、太陽光発電・太陽熱、建物の長寿命化、緑化で最高のランクの評価を獲得しています。

  • 都内初。東京都の環境性能表示オール“3つ星”獲得

(以下省略)

オール“3つ星”が「都内初」とあったので、念のため都のホームページで確認してみた。


たしかに「2009年度基準」になると、23区内では、オール“3つ星”の登録は見られない(11年6月12日現在)。
オール“3つ星”に近いのは、5項目のうち、3項目が3つ星、2項目が2つ星の物件が5件あるだけ。
具体的には次の物件だ。

  • 建物名<建物の断熱性/設備の省エネ性/太陽光発電・太陽熱/建物の長寿命化/みどり>
  • (仮称)江東区東雲1丁目計画<☆☆☆/☆☆☆/☆☆/☆☆/☆☆☆>
  • 広尾ガーデンフォレスト 椿レジデンス<☆☆☆/☆☆/☆☆☆/☆☆/☆☆☆>
  • アトラス志村3丁目(仮称)志村3丁目計画<☆☆☆/☆☆☆/☆☆☆/☆☆/☆☆>
  • パークハウス東中野リヴゴーシュ<☆☆☆/☆☆☆/☆☆/☆☆/☆☆☆>
  • (仮称)世田谷区桜三丁目計画<☆☆☆/☆☆☆/☆☆☆/☆☆/☆☆>



でも、評価項目に「太陽光発電・太陽熱」が加わる「2009年度基準以前」では、オール“3つ星”として、23区内では、次の9件が登録されている。

  1. シェルゼ木場公園
  2. ブランズタワー南千住
  3. 勝どき駅前地区第一種市街地再開発事業施設建築物
  4. THE ROPPONGI TOKYO (仮称)六本木三丁目地区第一種市街地再開発事業施設建築物
  5. プリズムタワー
  6. (仮称)大橋地区第二種市街地再開発事業1−1棟
  7. ザ・パークハウス新宿タワー(仮称)北新宿再開発マンション計画
  8. プラウドタワー練馬
  9. パークハウス阿佐ヶ谷レジデンス



都内初の“3つ星”を謳うのであれば、「2009年度基準以前の物件を除く」ことを明記すべきであろう。


関連記事


[PR] 「売主が決して伝えない、あなたの知らない超高層マンション電子書籍

経済的に余裕のない低層階に住む住人が高い費用負担に耐えられなくなったとき、超高層マンションのスラム化は、低層マンション以上に加速する可能性があることを認識していますか。

↓ ↓ ↓

売主が決して伝えない、あなたの知らない超高層マンション

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
Copyright(C)マンション・チラシの定点観測. All rights reserved.