不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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アウトレットマンション、その後

なぜ、町の不動産屋はつぶれないのか
「なぜ、町の不動産屋はつぶれないのか」というユニークなタイトルに惹かれて、新書を購入(780円)。
町の不動産屋がつぶれないのは――

基本は大家の手伝いをしながら、ときおり不動動産の仲介業務を通じて手数料を収受することが仕事だからです。
自分で土地を売買したり、あるいはマンションの分譲をしたりしなので、彼らには基本的に借金をする必要がないのです。
(中略)
結局彼らの仕事は借金とは基本的には無縁であり、手数料収入を基盤とした手堅いビジネスを行っています。
だから大きく儲けることも少ないかわりに、つぶれることもないのです。

この「つぶれない町の不動産屋」の対極にあるのが、マンション分譲業者(マンション・デベロッパー)。
30年以上続くマンション分譲業者がいなわけは――

地価の変動サイクルを読み切り、その上で最終製品の販売時期を読み切ることは至難の業。
(中略)
「良い時期」=相場が上昇する時期だけマンションの分譲をし、あとは店じまいをしてしまえば、「売り逃げ」として終わらせることも可能な業態です。
(中略)
しかしこれは、ほとんどの分譲マンション業者にはできない芸当でしょう。なぜなら人をほとんど雇わずに会社を経営することはできないからです。

マンション市場の拡大時期に、雨後のタケノコ的に発生した多くのカタカナ・デベロッパーの経営が傾いたのは、必然だったのですね。
詳しくは、同書をご覧ください。

なぜ、町の不動産屋はつぶれないのか(祥伝社新書228)

なぜ、町の不動産屋はつぶれないのか(祥伝社新書228)

アウトレットマンション、その後
同書でも触れられている「ニッチを狙ったアウトレットマンション」。
売れ残りの新古マンションや中古マンションを買い取って、リニューアルを施し上で、再販するビジネスモデル。
最近では、業界ニュースでも、この「アウトレットマンション」という言葉はすっかり聞かなくなった。
不動産経済研究所が毎月発表している「首都圏新築マンション市場動向」の数値データをグラフ化すると、下図のように、販売在庫(売れ残り)は、約2年前(08年12月)の12,427戸をピークに漸減し続けているので(12月・1月と若干の増加は見られるが)、「アウトレットマンション」を聞かなくなったのも、さもありなん。
販売在庫数の推移(首都圏マンション)


念のため、Google Insights for Searchを使って、「アウトレットマンション」の流行り廃りを調べてみた。
Google Insights for Searchは、特定のカテゴリ(この場合は、「不動産」)を指定して、検索ボリュームの動向を分析することができる。
「アウトレットマンション」検索ボリュームの推移
※グラフの縦軸は、「アウトレットマンション」に係る総検索ボリュームに対する割合。最高値が100となるよう相対表示となっている。
「アウトレットマンション」が検索ボリュームとして初めて登場するのが、08年10月。
その後、09年末に向かって漸減していくが、年明けの10年1月10日〜1月16日にいきなりピークが立っている。
そして、09年度末に向かって再び漸減し、10年度上期に終焉を迎えている。
詳しくは、Google Insights for Search(アウトレットマンション)。
時間の経過による変化を日本地図上で見ることもできる。お暇な時にでもどうぞ!
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2021年6月1日、このブログ開設から17周年を迎えました (^_^)/
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