不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、マンション選びのためのお役立ち情報を提供しています


マンション事業の経緯、市議会の議事録は結構使える


本日、マンション広告3枚。

【第1期予告広告】日暮里駅直通18分、駅徒歩19分。総戸数216戸、11階建。販売戸数15戸、3LDK(64.98m2)〜4LDK(88.79m2)。予定販売価格2,600万円台〜4,000万円台、予定最多価格帯2,900万円台(4戸)。平成23年7月上旬竣工(本チラシ掲載日の9カ月後)。

精密機械メーカー事業所の跡地に建つ、駅から遠い大規模マンション。


新聞全紙大のチラシのオモテ面に躍るキャッチコピー。

  • ○○(=都市名)山手、天使の邸
    • △△川のほとり。
    • 学舎のとなり。
    • まばゆい幸福が訪れる場所。

これらのキャッチコピーは「敷地内の一部で環境基準値を超える有機溶剤類と六価クロム化合物を検出したと発表した。(中略)有機溶剤類については該当範囲の土壌を堀削除去し、非汚染土で埋め戻す(日経BPニュース07年3月16日)」といった過去の経緯を微塵も感じさせない。


また、「△△川のほとり」は、市の洪水ハザードマップでは「もし△△川および水路が氾濫したら・・・」水の深さが「0.5未満の区域」であることを意識させない。


さて、チラシ裏面の「物件概要」に目を凝らすと、「建築確認番号/第UHEC建確*****号(平成20年9月11日付)」となっていることに気が付く。
すなわち、建築確認が下りたのが約2年前。
通常、建築確認が下りると、デベロッパーはマンション事業に投下した資金をできるだけ短期間に回収すべく(利益を最大化すべく)、速やかに着工するものなのだが――
なぜ、2年間もほったらかしにしていたのか?


市議会の議事録をひも解くと、マンション建築では業界トップの準大手ゼネコンが07年6月5日付けで「宅地開発条例に基づく宅地開発事業相談書」を提出、同年11月2日に公民館で近隣住民説明会(出席住民31名)を開催していることが分かる。
住民説明会が実施されてから3年近くも経過しているのだ。




本日のチラシに記載されている売主は3社。
一社は、上述の準大手ゼネコン。
ところが唐突に登場(市議会議事録では触れられていなかった)してきた感のある筆頭売主は、繊維・化学メーカーの関連建設会社だ。
2年間も販売開始を凍結していたのは、筆頭売主交代のゴタゴタやマンション市場の回復待ちといったところか・・・・・・。販売員に確認されてはいかがか。


このように、市のホームページに掲載されている情報(特に市議会の議事録)は過去の経緯を把握するのに結構役立つ。

[PR] 「一生住めるマンション」日本実業出版社

例えば、マンション棟内のどのポジションの住戸がいいのか?

答はコチラ

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
Copyright(C)マンション・チラシの定点観測. All rights reserved.